出版社内容情報
父の戒名を自作したところ、僧侶に「人のビジネスに手を出すな」と恫喝され……。「弔い」の意味を探求した一年半の体験ルポ。
内容説明
島田裕巳著『戒名は、自分で決める』を参考に父の戒名を自作。住職に「人のビジネスに立ち入るな」と恫喝される。2億円?の遺産をめぐり、「争族」勃発。実体験ルポ。
目次
1日目 住職から恫喝を受けました
2日目 戒名料は「お気持ちで」
3日目 「わたし、見ちゃったんです」
3週間後 檀家はやめるの、やめないの?
5週間後 ハラコセキの哀愁
7週間後 請求二億円!?「争族」の始まり
4ヵ月半後 前倒しの初盆
6ヵ月後 お坊さんの派遣会社をクビになったひとと会う
6ヵ月半後 お坊さんの個室に潜入してみた
8ヵ月後 お布施は大根一本でもOK?
1年後 税理士さんに聞く―三千万から五千万以下がもめる!?
1年3ヵ月後 体験者に聞く―戒名なしでも葬儀は行える
1年半後 橋爪大三郎さんに聞く―戒名はバレンタインチョコ
著者等紹介
朝山実[アサヤマジツ]
1956年、兵庫県生まれ。地質調査員、書店員などを経て、ライターとなる。花村萬月、井筒和幸、イッセー尾形らの単行本の編集を手がける一方、雑誌を中心に執筆活動を続けている。人物ルポや書評他、インタビューも数多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
111
「ならわし」とか「きまりごと」という魔法のキーワードで、思考停止に陥りそうなことについて体当たりする本。一般人では、聞きたくても聞けない内容を突っ込んでくれている。そもそも仏教の元祖である釈迦の教えでは「戒名」なんてなかったらしい。日本に伝来してから「戒名」が出来上がったとのこと。ためになった。2014/09/15
アナクマ
34
ルポライターが、父親の葬送で経験した一部始終。小説と見紛う「住職から恫喝を受け」た克明な顛末や面倒な家仕舞いを、親族との確執も隠さずに描く。◉後半は識者たちへの聞き取り。橋爪大三郎「戒とは他者から授けられたルール」在家は五戒、男性出家者は250戒、女性の場合は348あるというのだから恐れいる。飛び交う「価格」に触れるたび、うまいところに目をつけた業界だと関心する。橋爪「故人のことを調べて、つけたい人がつける戒名サービス」案がいっそ痛快。逝ってしまった人に思いを寄せる、この世の人間にできるのはそれくらいだ。2021/11/02
遊々亭おさる
15
父死去の知らせを受けた著者は故郷へ帰る新幹線の中で生前の父の生き方を思い出し戒名は自分が考えて付けようと思い立つが、檀家のお坊さんに相談すると思わぬ叱責を受けて…。どこの家族にも起こり得る相続を巡る兄弟間のゴタゴタ劇を絡めたルポで問われる弔いの在り方。もともと戒名は仏教との関係性はなく、金儲けの手段として定着したのだとするのは橋爪先生の説。お墓も反仏教的な存在だという。慣習だからと思考停止していたら俗世の垢を拭いきれない生臭坊主のカモになるわけですね。映画『お葬式』を彷彿させる人間ドラマも読みごたえあり。2017/10/25
おかむら
12
葬式&相続実体験ルポ。戒名を自分でつける(または戒名いらない)的なことはまだまだむしろ面倒が増えるだけのようです。じゃあいっちゃん安い戒名にしてって遺言書残すかな。って自分はそれでいいけど親のはまた別っていうか親戚の手前もあるのかもしれんし難しいな…。宗派や地方によっても大分変わるらしい。葬儀に明朗会計無し。浄土真宗が1番リーズナブルだそうです。うちの宗派どこかな?⬅知らない、いい年して。2013/12/26
ぱりぱり
10
★★★☆☆2024/11/02