天堂狂想歌

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 452p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120044946
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0097

内容説明

実際に起きた農民暴動に想を得て、体制の根深い闇を莫言が照射する。ノーベル文学賞幻の未訳長篇。

著者等紹介

莫言[モオイェン]
1955年、山東省高密県に農民の子として生まれる。幼くして文革に遭い、小学校を中退。兄の教科書や旧小説で文学に目覚める。76年に人民解放軍に入隊。85年『透明な赤蕪』でデビュー。翌86年、『赤い高梁』(張芸謀監督により映画化。88年、ベルリン映画祭グランプリ)で、倫理を超える農民の生命力を描いて世界の注目を集める。2012年、「幻覚を伴ったリアリズムによって、民話、歴史、現代を融合させた」ことを評価され、中国在住の作家として初めてノーベル文学賞受賞

吉田富夫[ヨシダトミオ]
1935年、広島県生まれ。63年京都大学大学院修了。現在佛教大学名誉教授、中国現代文学専攻。莫言が絶大な信頼を寄せ、その招待によってノーベル文学賞授賞式に日本の翻訳者としてただ一人列席(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

田中寛一

10
今から26年前の1987年に中国で起きた農民暴動を背景にした小説。村のあちこちにハリエンジュがあり、ニンニクの匂い、糞尿などの言葉。生活の違いに驚くし、臭くて痛痛しさが伝わってくる。事件に触発されて35日で書き上げるとは、さすがノーベル賞受賞者。役人たちの私腹を肥やすことに憤った農民の正義が認められても行くが、しばらくすると他県でまた重要ポストについたとか。政治経済体制を問わずどこにでも有りそうだ。89年の天安門事件もすぐそこ。そんな時によくぞ描いたものだ。民主化が更に進みますように。2013/07/23

芋煮うどん

4
長い間積ん読だったが、ようやく読了。汚ならしい表現ととんでもなく美しい自然の描写のコントラスト。ニンニク事件がつい最近の本当のできごとなのが、一番の驚きだ。2020/05/06

サトウキビ

2
莫言の作品は、どれも悲惨な作品ばかり。処刑の話とか、弾圧の話とか、一人っ子政策のために堕胎を強制する話とか。それでも、作者のユーモアで、というか登場人物たちのくそたくましい生き方と、悲惨な境遇で四苦八苦してるのに、どこか喜劇めいてもいる言動で、読むのが苦では無かった。しかし、この作品は救いがない。あるのは人民の苦しみと、役人の搾取だけで、上記の莫言っぽさは健在なのだが、それで悲惨さを中和できていなかった。2015/01/27

hayaco

2
80年代後半の中国の農村。階級権力、悪臭漂う空気感がテンポよく魅力的に描かれているのは流石。方兄弟のように誰かを蹴落としてでも良い暮らしをという物ばかりが生き残る世かと嘆きつつ、身体が不自由でも、目が見えなくても、足指が12本付いてようとも、お人好しのお父ゥが捕まってもどこか幸せな空気の漂う高羊家族に莫言の希望が見える。この本は割と初期に書かれた本との事だが、ノーベル賞受賞を盾に更に自由な本で楽しませてほしいとも思った。2014/08/17

ハルト

2
読了:○ 国の体制による臓腑ねじれるような理不尽。2013/06/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6522992
  • ご注意事項

最近チェックした商品