文春新書<br> 木戸幸一 内大臣の太平洋戦争

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文春新書
木戸幸一 内大臣の太平洋戦争

  • 著者名:川田稔【著】
  • 価格 ¥1,300(本体¥1,182)
  • 文藝春秋(2020/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166612536

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内容説明

東条内閣を生み、「聖断」を演出した昭和史のキーパーソン、初の本格的評伝!

なぜ日本政治は軍部に引きずられたのか?
昭和史最大の謎を解く鍵を握る人物が木戸幸一だ。
昭和日本の運命を決する重大な岐路には、必ず彼の姿があった。
開戦時から終戦時まで内大臣をつとめ、東条内閣の生みの親。
木戸孝允の子孫、昭和天皇最側近のひとりにして、
昭和史の基本文献として知られる『木戸日記』を書いた木戸だが、
彼がいかなる政治認識を持ち、重要な局面で何を行ったか、
正面から論じた著作は少ない。
満州事変、二・二六事件から終戦まで、昭和の岐路に立ち続けた木戸を通して、
昭和前期、日本が直面した難局が浮かび上がる。
ロングセラー『昭和陸軍全史』をはじめ、永田鉄山、石原莞爾、浜口雄幸などの評伝で
定評がある著者が描く昭和史のキーパーソン初の本格的評伝。

【内容】
満州事変 内大臣秘書官としていち早く陸軍情報を入手
陸軍最高の戦略家・永田鉄山との交流
二・二六事件 反乱軍鎮圧を上申
日中戦争 トラウトマン工作に反対
「軍部と右翼に厳しすぎる」昭和天皇に抱いた不満
三国同盟と日米諒解案は両立できると考えていた
独ソ開戦という大誤算
日米戦回避のためにあえて東条英機を首相に
「聖断」の演出者として ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

61
太平洋戦争の開戦と終戦の際に内大臣として天皇に最も近いところにいた人物の評伝。著者も指摘しているように、この人物の行動はあの時代の様々な要素を理解するための、ひとつの指針となり得る。一方初期の木戸の「議会嫌い」(これが当初のボスであった西園寺公望との決定的違い)について、なぜそうなったかをもっと知りたくなった。なぜなら、あの時代(昭和初期)と現在の議会に類似性を強く感じているから。また、近衛文麿との関係は大体予想通りだったので、近衛についても調べていきたい(著者が新資料に基づいた著作を出している)。2020/05/08

みこ

26
戦中時の内大臣木戸幸一の評伝。実際には戦前から終戦に至る通史でもあるのだが、この時代について学ぼうとすると大抵「日本政府は~」とか「軍部は~」とか主語に一個人が来ることは無いのだが、本書のように一人の人物を通じてこの時代を語ると決して政府も軍部も一枚岩でなかったことに気付かされる。ドイツとソ連が戦争を始め、真珠湾の数か月前の時点でもなおアメリカと協調してドイツと距離を置くという選択肢が残っていたことは知らなかった。2020/04/25

keint

15
木戸幸一を中心とした戦前~終戦までの政局について彼の行動や考え方について解説されている。戦後の証言と食い違う箇所についてもちゃんと補足されており、戦前から終戦までの政治史としても読むことができる。木戸については二・二六事件の沈静化で反軍的なイメージが強かったが、実際は陸軍よりであり、さまざまな誤算(独ソ戦、海軍の態度変化)により陸軍を善導するという方策が狂っていき、最期には終戦工作に奔走したということを初めて知った。2020/04/23

CTC

14
2月の文春新書新刊。『昭和陸軍の軌跡』他の川田稔氏最新刊は木戸幸一の評伝。昭和史の本を多く読めば『木戸日記』はお馴染みなのに、実像が見えてこない木戸幸一。実際テーマにした本は「それほど多くない」。「自分が戦争責任ありと認定されれば、昭和天皇の政治責任の追及につながるとの考えから、木戸は自身の個人弁護に徹した」上で、一票差で死刑を免れて長命されたですしね、子息らも財界で活躍されてますから、まぁそういうもんでしょう。本書は内大臣秘書官長で迎えた満洲事変期から終戦までの木戸を追う労作。文句なしに面白かった。2020/04/28

かんがく

12
私が昭和史に強く興味を持つきっかけになった『昭和陸軍全史』の著者の本なので、満州事変から敗戦まで詳細に書かれていて終戦記念日に読むには最適だったが、どう考えてもタイトルは『木戸幸一』ではない。途中ほぼ木戸が出てこないパートもあったし、普通に良質な昭和戦前通史として読んだほうが良い。2020/08/15

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