内容説明
学歴なし、甲斐性なし、妻子あり、どん詰まりのおれに活路はあるのか―。
著者等紹介
広小路尚祈[ヒロコウジナオキ]
1972年、愛知県に生まれる。高校を卒業後、職業を転々とし、ホテル従業員、清掃作業員、清涼飲料メーカーのルートセールス、建築板金工事作業員、タクシー運転手、不動産業、消費者金融業など、経験した職種は十以上にのぼる。2007年、「だだだな町、ぐぐぐなおれ」が群像新人文学賞優秀作に選ばれ、10年に「うちに帰ろう」、11年に「まちなか」で芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetsubun1000mg
20
この作家さんのタクシー運転手、東京発札幌行夜行列車の2冊を読んで面白かったので選ぶ。 中堅の消費者金融に努める営業マンの日常は読んで苦しくなる。 会社に行くのがつらくて短編小説を読む、電車に乗ると気分が悪くなって降りたくなるなどの描写が続く。 支払い遅延客への督促や上司の𠮟責など作者の経験からなんだろう。 でも最後に物書きを目指してなんか書いてみたらとすすめてくれた奥さんに感謝だね。 専業作家なのかは知らないけど芥川賞に2回ノミネートされているんだよね。 ペンネームは名駅の広小路通りから来ているのかな。2024/12/05
あかは
11
面白かった。なぜだかぐいぐい読んでしまった。ばっくれ癖のある主人公と清美のキャラがいい。知らない世界も垣間見れて楽しかった。伸ちゃん一家に幸あれ。2013/07/02
そうたそ
8
★★★☆☆ 消費者金融に努める男の日常をただただ淡々と描いた物語。著者の経歴を見ると、色々な職業を転々としてきたようで、恐らく本書での消費者金融業界の知識も著者自身の経験があってのものなのだろうな、と思った。ストーリーはといえば、少し前の言葉でいえば「だめんず」みたいな男の日常に併せて、実に下らない内面部分などが描かれることのみで進んでいき、人によっては「つまらない」と思うだろう。しかし、著者自身のユーモアが随所に垣間見られ、個人的にはたらたらとした展開の文章でも読んでいて飽きることはなかった。2013/03/13
ちゃかぱん
5
バックれぐせって言葉がいい。今でこそスナフキン症候群みたいな言葉あるけれど、スナフキンってアスペルガーだと思う。本当に駄目な人のまわりには清美みたいなお地蔵様がいればいいけど、そんなに世の中うまくいかないでしょう。他の方のレビューによると自伝的な小説もあるようだから読んでみよう。それにしてもここまで駄目だと腹だだしくなるのに、何故かすかっとする。夫婦善哉もいつかは読みたいと思ってる本。2012/08/07
コウママ
3
嫁と息子のためにサラ金で働いてるけどバックレ癖があるダメ男の話。取り立てのあれこれとか読んでておもしろかった。嫁さんがすばらしい。この男のどこに魅力が?清美えらすぎるよ。軽く楽しく読めた。2020/08/21