内容説明
爪切りひとつで、世界は大きくその姿を変える。眼鏡、ジダンの足さばき、世田谷線の踏切…愛はまっすぐ五十五篇。
目次
1(冷戦の終わり;フェードイン、フェードアウト ほか)
2(ピサから遠く離れて;パペットリーのある暮らし ほか)
3(秘密結社から;星三つ半のフットボール映画 ほか)
4(裏から見あげる東京ドーム;「いま」が揺れる ほか)
著者等紹介
堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964年生まれ。作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
25
さほど前のめりになって読むことが出来なかった。著者お得意の書物に関する文章がそんなに収められていないからなのだろう。日常の些事を描いたエッセイは百鬼園先生を思わせるところもないではないが……あとはあまり私がサッカー(いや、フットボールと書くべきか?)に関心がないことも一因かなと思う。その手のエッセイにありがちなナショナリズムに陥っていないところは流石。まあ、長くつき合い続けていると勝手に読者としてマンネリを感じてしまうのは良くある話なので、この本を貶めたいとは思わない。読書というものなかなか上手くいかない2019/08/31
MASA123
13
エッセイは4つのパートに分割されている。1章の25編は著者がこだわる好きなモノ、文房具、爪切り、書見台、玩具・・・(ああ、こまった、自分はどれにも興味ない)、ギブアップしかけたら、タイトルの「時計回りで迂回すること」にたどり着く。英国の奇妙な戯曲「クワッド」の説明があり、それが終わると、唐突にオーディオ製品「クオード」の話になる。日本では「クオード」だが、正しい発音は「クワッド」なのだ。そして、次のエッセイが著者愛用のクオード33(QUAD33)の話になる。「理想主義的非現実性」が具象化、なるほど。 2025/06/14
イマビッチ
10
ジダンのお話を読みたくて購入したものの、前半なかなか登場せず何故かそのまま放置。ようやくなんとか読了。日々の生活やその道具に対する、どちらかというと「美しさ」への拘りがいっぱい。ジダンのプレーが、その「過程の、プロセスの芸術家だった。」との考察に納得。サッカーのラジオ中継のお話も興味深かった。機会があったら是非聴いてみよう。2014/05/29
エトランジェ
3
一話一話じっくりと味わいながら読んだ。手元に置いておきたいので、今まで図書館で借りるばかりだったのを初めて購入した堀江作品。登場する固有名詞で興味をそそられるものを調べていくと読書そのものから大いに脱線できるという楽しい本です。で、やっぱり装丁はモノフェチな著者本人が大いに関わっているのね。納得。2015/02/20
misui
3
モノへのこだわり、異国、瞬間の芸術サッカー、土地の声…。自分とは縁遠い物事ばかりだが語りの巧さですいすい読める。五冊目の心地良いマンネリ。2012/07/17