内容説明
ピアノ教師の野田美奈子が、夫の刺殺容疑で逮捕された。しかし、小学生の古結麻里は、事件当時に別の場所でピアノを弾く美奈子を目撃していたのだ。成長した麻里は事件をモデルとした小説を書き上げるが…。事件から40年後にその原稿を受け取った編集者の姉・響季智香子(28)は、新進ピアニストの妹・永依子(25)とともに真相を推理する。あのとき「幻想即興曲」を弾いていたのは誰だったのか。真犯人は?時空を超えて仕掛ける本格トリック。美しき姉妹探偵シリーズ、開幕。
著者等紹介
西澤保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業後、高知大学助手などを経て、執筆活動に入る。95年に本格ミステリ作品『解体諸因』で衝撃的デビュー。以降、SF的設定と本格推理の融合をはたした独自の作品群で読者を魅了し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
116
作中作の謎を主人公の姉妹で解くんだけど作中作の方がボリュームあって主人公の影は薄い。トリックとかはいいと思うけどそこが少し残念。ショパン篇ってあるけど続くのかな?2016/08/06
星群
35
少女の頃関係した殺人事件が、彼女を平凡な人生から遠ざける。夫婦の不仲、アリバイの否定、3億円ごっこ、ストーカー、真実は闇の中。事件を元にした小説が、新たな悲劇を招く。しかし、著者は、必死に書き上げた小説を処分する様に、編集者に託す。編集者がすべき事は、 ショパンに、『幻想即興曲』の楽譜を処分する様に言われた友人・フォンタナが、逆に、その曲を広めた様に、この小説を世に出し、世に問う事だろう。2013/01/17
eclipse1228
23
書き下ろし長編。編集者の響季智香子は担当する作家・古結麻里から蔵出し原稿『幻想即興曲』を預かる。その作品は古結麻里が小学生時代にアリバイを証言した事件を小説化したものだった。「響季姉妹探偵」と銘打ってはいるが、響季姉妹が登場するのは最初と最後だけ。大部分が古結麻里の半生について描かれている。古結麻里と作者はほぼ同年代で、第一回鮎川哲也賞に応募するも落選するといったエピソードから、作者自身と重ね合わせていることがわかる。キャラ萌えや推理と共に、昭和という時代を懐かしむ小説。百合要素があるので苦手な人は注意。2012/09/20
Lwsika
18
旦那さまが借りてきた西澤保彦の新シリーズ。姉妹探偵とあるわりには、安楽椅子探偵的な位置付けの姉妹は活躍せず、妙にイチャイチャしてばかりいました。姉のキャラが掴みにくく、40年前の事件という設定の作中作でも百合要素が。読者へのサービスなら、それは全く求めていなかったのですが。読んでいる間ずっと幻想即興曲が頭の中を流れていました。大好きな曲です。ショパンとフォンタナの使い方が実に巧妙で作中作が出来上がった経緯とマッチしていました。2015/02/25
6だ
17
書き下ろし作品。いつも通りの西澤さん。うー、いつも通りではあるのだけど迷走中なのかなという気もする。キャラの立て方(或いは崩し方)、叙述トリック的な謎の組み方、といった辺りで新しい事やりたいけど思い通りにできない、みたいなモヤモヤ感がある。あと、これもシリーズ化するのかな?というか「ショパン篇」と銘打ってる以上はされるんでしょうね。並列進行より他のシリーズ終わらせてから次行って欲しい、出版社との関係とかで難しいとは思うけど。2012/06/11
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