内容説明
困難を極めた交渉での圧倒的な存在感。六〇年安保、沖縄返還の深層で動いた外交官の使命感と苦悩を描く評伝。
目次
第1章 「東郷メモ」が語りかける歴史
第2章 「密約」を探る動き
第3章 アンシャンレジームの息子
第4章 義父・東郷茂徳
第5章 六〇年安保交渉
第6章 沖縄返還交渉
第7章 「つくらず」「持たず」「置かせず」目指す
第8章 続く「三原則」
第9章 ふたりの黒衣
第10章 外交官として
第11章 日本外交に残る影
著者等紹介
伊奈久喜[イナヒサヨシ]
1953年、東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞社に入社し、政治部記者、ワシントン支局記者、政治部編集委員、論説委員、論説副委員長などを経て、現在、特別編集委員(外交・安全保障担当)。1993年よりコラム「風見鶏」の執筆を続ける。1998年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。青山学院大学、聖心女子大学、同志社大学大学院で現代国際政治論を論じる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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koji
1
エピローグにある外交官の信条「①Passion(情熱を持つこと)、②Dedication(献身的に国に尽くすこと)、③Commitment(責任を持つこと)、④Anonymity(匿名であることの徳と意味を踏まえること)」は心に残ります。本書は東郷文彦の伝記の体裁を取りながら、日米安保等を巡る密約を縦軸に、「日米同盟とは何か」という根幹思想を横軸に展開しようとする気宇壮大な書を目指したものと言えます。読みにくい点はありますが、安保通・東郷が中国、韓国で苦労したのが皮肉で、これが今日的複雑さを物語ります。2012/03/24
おぎん
0
戦後日本の位置を認識させられる。日本のマスコミの報道はあてにならない。世界からどういう位置づけで日本がいるかというのが分かる。 この人の行動は官僚のあるべき姿と思う。2011/11/26
Sanchai
0
カルカッタ総領事時代の東郷氏のことを知りたくて読んだ。主題と違うので少ししか言及されてなかったが。2019/09/07
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