- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 歴史
- > 講談社 山岡荘八文庫
出版社内容情報
山岡 荘八[ヤマオカ ソウハチ]
著・文・その他
内容説明
恨みをふくんで比叡の後醍醐天皇の許から冬の北陸路を落ちる義貞。前途には敦賀金ケ崎城の、史上に残る飢えと寒さの地獄の籠城戦が待っている。足利兄弟の策にはまった天皇は義貞を退け京へ還ったが、その処遇は苛酷をきわめた。吉野への脱出には成功したものの南朝側に陽がまた昇る日は来るのか。完結篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
22
約一年ぶりに読んだシリーズですので、内容は覚えている部分は多かったですが、新たに太平記としての魅力を感じる部分もありました。南朝側の立場の本ですので、北朝側の本も読みたいと思いました。2022/07/01
Ryuji
5
★★★★☆全巻読了。最終巻は「湊川の戦い」で敗れた官軍の都落ちから。その後後醍醐天皇に騙された新田義貞が北陸に落ち、後醍醐天皇自身も実は足利兄弟に騙されており再度の都落ちで吉野へ。新田義貞・北畠顕家等が奮戦するも実を結ばず最後は義貞の討死で終わる。全巻を通して後醍醐天皇はほぼ前面に出てこないが、この人のおかげで何人の人が逝ったのだろうと思う。新田義貞などは特に哀れであった。足利尊氏がもっと悪辣な人ととして描かれているのかと思ったが、そうでもなかったのが意外、その分足利直義と高師直の悪人ぶりが面白い。2013/11/16
tenorsox
3
尊氏が直義を刺し殺す前に最終巻が終わってしまった。南北朝の統一までとは言わないが(その前に南朝が既に無実化しているので)、せめてオリジナルでカバーされているあたりまで(義詮の死去や細川頼之の管領就任までらしい)書いて欲しかった。吉川英治「私本太平記」にすべきだったか‥ 敗れた側の後醍醐天皇と楠木正成があくまで「正義」として、一方で尊氏ではなくその重臣である直義と高師直が徹底的に奸物として描かれているが、理想と現実の、あるいは本音と建前の狭間で揺れ動く一見どっちつかずな尊氏が一番魅力的。 2020/06/08
いぬたち
3
のんびりとだったけどやっとこさ全巻読破!最後は静かに寂しい幕切れだったけどそれに至るまで多くの人々が勇ましい又は儚く最後を遂げるところが凄惨で見応えがあった。もうちょっと先の話も見たかったんだけどこれはこれで満足です。2018/09/24
よっ!
2
比叡山攻略から新田義貞の戦死まで。後醍醐天皇は足利尊氏の誘いに乗って和睦しようとするが、どこまで権力欲が強いのかと。しかも息子を新田義貞に託すなど、犠牲にしているとしか思えない。だがそんな書き方はせず、天皇は尊氏に騙された人。新田義貞は後醍醐天皇のために戦った人。この後足利家は敵がなくなったので兄弟仲違いし、下克上の時代へと進むが、結局新田側が勝っても同じようなことになったはずと思うのだが。★★★★☆2015/07/29