日本書紀成立の真実―書き換えの主導者は誰か

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  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120042829
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0021

内容説明

古代史の重い扉がいま、開かれる。衝撃の書『日本書紀の謎を解く』から12年。新たに得られた知見をこの一冊に凝縮。

目次

第1章 日本書紀の研究方法と今後の課題
第2章 日本書紀剳記(編修論「聖徳太子伝説と用明・崇峻紀の成立過程」;研究論「懐徳堂・五井蘭洲の『刪正日本書紀』に驚嘆する」;文章論「文章より観た『日本書紀』成立区分論」;音韻論「日本書紀の万葉仮名と上代語のアクセント」)
第3章 日本書紀と古代韓国漢字文化(『日本書紀』区分論と終結辞の「之」字;日本書紀に見える古代韓国漢字文化の影響)
第4章 書紀研究の新展開(文章論の研究動向と展望;天文研究と書紀区分論;体例と出典研究)
第5章 書紀成立論(「孝徳紀」への加筆;「皇極紀」への加筆;編纂の主導者は誰か;結語)

著者等紹介

森博達[モリヒロミチ]
1949年、兵庫県に生まれる。大阪外国語大学外国語学部中国語学科卒業。名古屋大学大学院博士課程(中国文学専攻)中退。愛知大学専任講師、同志社大学助教授、大阪外国語大学助教授を経て、京都産業大学教授。専攻、中国語学。『古代の音韻と日本書紀の成立』(大修館書店、第20回金田一京助博士記念賞)、『日本書紀の謎を解く』(中公新書、第54回毎日出版文化賞)などの著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星野七生子

3
『日本書紀』の成立論。主に語法と音韻論から漢文の倭習を解析、著者の特定までしてて凄い。反面、この著書で紹介されている反対論者の異常性が際立つ……。何度も引用される坂本太郎氏の「記紀を論じるにはまず記紀を読むべし(うろおぼえ)」というのは至言(むしろ読まないで論じている学者がいるの?という驚きも憶えます)。あえて疑問を呈すれば、書写の段階で倭習が混入した可能性の考慮、写本から活字におこす際のミスの考慮、敦煌あたりの癖との比較といった課題が思いつくけど、それでひっくり返るような説ではない。2012/03/02

ken

3
日本書紀で使われてる言葉を分析する事で、書かれた順序や書いた人物を特定しています。それが、元の文に手を入れた範囲やタイミングなどを推測する重要な情報となっています。 文体の最終チェックが行われていない「天智紀」の理由が、死期が迫った不比等が急がせたから・・・というのも納得です。2012/01/01

坂津

1
『日本書紀』は正音によって正格漢文で書かれたα群、倭音によって和化漢文で書かれたβ群に大別されることを発見した著者の集大成。α群に見られる倭習(日本語の発想に基づく漢字・漢文の誤用・奇用)は例外的存在だが、これらは他の史料(「伊吉連博徳書」や百済系史料など)からの引用箇所や、潤色・加筆箇所(乙巳の変を記す「皇極紀」や、大化改新を記す「孝徳紀」など)に集中していることが具体的に示されており、説得力がある。稲荷山古墳鉄剣や江田船山古墳鉄刀の銘文から古代朝鮮半島の漢字文化の影響が窺えるという指摘も興味深い。2020/07/11

パパ

1
日本書紀が漢人の手からなる部分と日本人の手からなる部分に分けられるという著者の研究成果は素晴らしい。ただ、本書は自説の補強と非論理的な批判に対する反論の公表済み論文を積み上げてできたものであり、同じ記載が重複しているのが残念。まあ、この手の歴史系の単行本ではよくある話で、まして著者のせいではない。日本書紀の成り立ちについて共通理解を広げた著者の肩に上って先を目指す研究が現れてほしい。2016/05/07

まちだまちお

0
★2.5 追って2012/05/14

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