エリザベス―華麗なる孤独

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  • サイズ B6判/ページ数 612p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120040290
  • NDC分類 288.493
  • Cコード C0022

出版社内容情報

優柔不断な人形か、稀代の策士か? 英国史上最大のビッグネームの全貌を、一次資料を駆使し多面的に描き出した本邦初の本格評伝

内容説明

英国国教会の確立、弱小国の防衛戦略、臣下の活用といった統治の実際から、人文主義への深い造詣や、数多の求婚を退け独身を貫いた私生活の詳細まで―父王により生母を断頭台に送られた幼女が、やがて時を味方につけ、十六世紀ヨーロッパに威風を行き渡らせる宿命の足どりを、丹念にたどる。

目次

砕け散る希望―王女誕生
フランス仕込みの貴婦人
継母の慈しみの中で
愛する人との別れ
姉妹の確執
幸福の反転
エリザベス一世誕生
ロンドン入城
最初の議会
女王と結婚問題
恋心を縊り殺して
ネーデルラント紛争
渦巻く反逆計画
独自の外交術
メアリー・スチュアートの陰謀
スペインによる侵攻
暴走する若き寵臣
最後の戦い

著者等紹介

石井美樹子[イシイミキコ]
1942年生まれ。津田塾大学大学院博士課程修了。1974~78年、ケンブリッジ大学で中世英文学・演劇を専攻。文学博士。現在、神奈川大学外国語学部教授。ルネサンス文学やチューダー朝研究を中心に、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まりお

49
16世紀の英国に栄光をもたらしたエリザベス一世の生涯を綴る。母親が理不尽に処刑され、庶子として扱われた子供時代。相容れぬ宗教問題、他国との結婚による交渉、メアリー・スチュワート、スペインとの戦争、様々な苦難と戦い続ける女王の時代。理不尽な子供時代を耐え、女王に返り咲いたエリザベス。結婚はしなかったが、恋を楽しむ女性だった。2017/06/04

星落秋風五丈原

35
子供の頃の悲惨な経験が人を操る術を与えた。そこへいくとスコットランド女王メアリーは女王である前に女であったのだな。数ある求婚者をのらりくらり交わす様はまさに政治家。2017/05/20

鐵太郎

11
エリザベスが、メアリ・スチュワートをのぞかなくてはいけないことに苦悩したことは、さまざまな記録に残っています。しかし処刑したくなかったという理由のひとつに、毒殺でも何でも良いから死んでくれないと、処刑したことにより他国の君主を抹殺する行為を正当化する必要が出てくる、ということがあったのだそうな。 そんなこんな、非常に詳細であると共に面白い視点でエリザベスという人物を見直させてくれる本でした。2010/10/14

viola

11
もともとシェイクスピア専門の著者が書いた、限りなく第1次資料に基づいたエリザベス1世の伝記。こういうものの翻訳はあっても、日本人が書いたものは少ない気がします。内容は専門的で量もあるので読むのに珍しく1週間ほどかかりましたが、読む価値はあり。エリザベス1世について知りたい人は、もうこれ1冊読んでおけば十分です。この内容でこの値段はお安い!しっかりと参考文献も載っているので信頼もできる。研究にもかなり役立ちそう、2度、3度と読むことになると思います。ついでにジェイムズ1世のも出さないかしら。2012/02/26

lorca

6
読破するのに結構時間がかかった。でも時間をかけただけの意味があったと感じる。16世紀から17世紀を疾走したエリザベス一世というイングランド女王の一生がとてつもなく深く重く圧倒された思いがする。著書である石井美樹子氏の資料探しや資料の読み込みが尋常なく素晴らしいと。頭が下がる思いでもある。本書は側近たち、ウォルシンガムを始めとしてロバート・セシル、エセックス伯爵等に光りが多く充てられていて、チューダー朝の最後の「時」を知るにもとても興味深い歴史小説でもあると感じた。読み応え十分だった。石井女史の力作であると2011/09/30

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