出版社内容情報
昨年亡くなった日本の自家焙煎の草分け「もか」店主。生涯をコーヒーに捧げた不器用な熱血漢の妥協を知らない日々を緻密に取材。
内容説明
自家焙煎の草分け、吉祥寺「もか」店主・標交紀。“感動を誘う”コーヒーを創り出した男―。我を忘れて焙煎にのめり込み、生豆を選び抜き、抽出温度1℃の違いを見極めてダイヤモンドのような一杯を追い求めた不器用な熱血漢。豊富な逸話とともに、稀代のコーヒー求道者の生涯をたどる。
目次
感動を誘うコーヒー
もかのコーヒーは雑味だらけ?
自家焙煎はニヒリズムの極致
ドリップ、サイフォン、フレンチプレス
“深煎りの甘み”を引き出す焙煎度
飲み残しにさえ傷ついて
客との一騎打ちに備える
映画監督になるはずが
生涯の師との出会い
焙かねばただの“湯通し屋”〔ほか〕
著者等紹介
嶋中労[シマナカロウ]
1952年、埼玉県川越市生まれ。本名・小林充。慶應義塾大学文学部独文科を卒業後、出版社に勤務。月刊誌編集長、編集委員などを歴任する。現在フリー・ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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葉
3
"鬼人"と呼ばれるほどに没頭できるものが見つかることは、最上の幸せだと思った。それほどのものを見つけたと思っていたのに、気が付いた時には私の手の中から消えていた。また見つけたいと思う。ただし見つかることは奇跡に近いけれど。2015/04/08
マッメ
1
吉祥寺「もか」の標さんの半世が綴られている。これまで標さんがコーヒーとどのように向き合ってきたのか、妻の和子さんの言葉とともに綴られているが、その熱意と頑固には圧倒されてしまう。標さんの意思を継ぐお弟子さんの言葉も綴られているが、今も標さんの心は誰かのなかに受け継がれているんだなと感じられた。日本のコーヒー界を牽引した1人の男性の言葉や行動からこれまでのコーヒーの歴史を垣間見ることができ、コーヒーの世界に更に興味がわくきっかけとなる本だった。2024/07/25