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出版社内容情報
雨で部活の練習が早めに終わった栗本詩暮は、忘れ物を取りに戻った視聴覚室で、一人の女子生徒・雨森潤奈と出会う。読書や音楽の好みが合致した二人は、互いの時間が重なる雨の日の放課後限定で会うようになり、密かな交流を始める。
「詩暮っていう名前、好き」
「私は独りが好きで、無駄な他人と関わりたくはないけど……詩暮なら、いい」
じめっとした雨の日にだけ会える潤奈は無表情でドライだが、やたらと距離感が近く、甘えたがりな女の子。
さらにある晴れた日、潤奈の「秘密」を知ってしまったことで、詩暮に対する潤奈の距離は吐息がかかるほどにまで近づき、深すぎる愛情がだだ漏れになっていく――。
内容説明
雨で部活の練習が早めに終わった栗本詩暮は、忘れ物を取りに戻った視聴覚室で、一人の女子生徒・雨森潤奈と出会う。読書や音楽の好みが合致した二人は、互いの時間が重なる雨の日の放課後限定で会うようになり、密かな交流を始める。「詩暮っていう名前、好き」「私は独りが好きで、無駄な他人と関わりたくはないけど…詩暮なら、いい」じめっとした雨の日にだけ会える潤奈は無表情でドライだが、やたらと距離感が近く、甘えたがりな女の子。さらにある晴れた日、潤奈の「秘密」を知ってしまったことで、詩暮に対する潤奈の距離は吐息がかかるほどにまで近づき、深すぎる愛情がだだ漏れになっていく―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
60
私がボーイ・ミーツ・ガール好きということもありますが、めちゃくちゃ良かったですね! まず、テンポの良い会話に引き込まれ、徐々に潤奈の“湿度の高さ”の魅力に魅せられていく。それでいて登場人物たちの背景がしっかりしているからこそのストーリーは説得力があるんですよね。そして、特筆すべきは心理描写の上手さ。終盤の詩暮が好きだからこそ生まれる葛藤と創作の間で揺れ動くシーンは特に良かった。大満足!2025/03/02
芳樹
43
初めて読む作家さん。文章がシンプルかつ流麗。雨に濡れる校舎の様子や二人の会話シーンなど、情景描写が非常に巧みであり、読んでいて情景が映像として頭の中にすっと浮かんでくるという貴重な体験をさせて頂きました。「湿度が高い」というのは確かに彼女を内面を的確に表していて、しっとりとした雰囲気のあるとても魅力的なヒロインと言えましょう。そして主人公の詩暮は飄々としているように見えるけど芯があり好感が持てる少年です。変わるものと変わらないものに焦点をあてた、学園青春物語の傑作と思います。続編があれば嬉しいかぎりです。2025/02/28
和尚
34
面白かったです! 鬱ロック好きですね、GRAPEVINEとかTHE BACK HONEとか好きです。知らないだけでYOHILAというバンドがあるのかと検索してしまいました笑 趣味が合うって良いですよね。そして、映画も音楽もいろんな波長が合う女の子が距離感詰めてくるラブコメとか……めちゃくちゃ良かったです。 後、車で送ってもらいながらのそのシチュは羨ましすぎる。 そして、そこまでの明るさが音楽勘を狂わせるのもなるほどなと納得感があって、その上で二人とも手放したくない関係となっていたのもとても良かったです。2025/03/14
よっち
33
雨で部活の練習が早めに終わった栗本詩暮が、忘れ物を取りに戻った視聴覚室で少女・雨森潤奈と出会い、彼女の秘密を共有していく青春小説。読書や音楽の好みが合致して、雨の日の放課後限定で会う密かな交流を始めていく2人。フォローする養護教諭・赤城も含めた潤奈の事情を知る中で、無表情でドライだった彼女が、詩暮だけにはやたらと距離感が近く甘えたがりになってゆく展開で、詩暮とのかけがえのない日々が彼女を苦しめる皮肉な構図にはしんどいものがありましたが、乗り越えて再び向き合った2人のこれからをまた読んでみたいと思いました。2025/02/24
わたー
25
★★★★★面白かった。雨の日に視聴覚室で出会った少女と鬱ロックの話題で意気投合することから始まる青春ラブコメ。ヒロインはタイトルに違わぬ湿度の高い女の子で、主人公に対してじっとりした執着を見せるのが実に良いね。前半はマイナー寄りの趣味を持つヒロインと主人公との関わりをしっかり描いて、後半は彼女の抱える生きにくさとか、クリエイターとしての業と高校生としての幸せの狭間で藻掻き苦しむ様などの、彼女の核心に至る話へ展開させる。そして、受け身気味だった主人公が、自分の意志で一歩を踏み出すシーンでまとめる。2025/03/04
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