出版社内容情報
確かに過酷な生活を強いられた。それでも庶民は遊んでいた! 当時の新聞や、荷風・ロッパらの日記から大衆レジャーの変遷をたどる
内容説明
『江戸庶民の楽しみ』『明治東京庶民の楽しみ』『大正ロマン東京人の楽しみ』に続く昭和戦前・戦中篇。庶民の生活は苦労の連続…それでもしたたかに遊んでいた!画期的な昭和前期レジャー年表付。
目次
昭和前期レジャー年表
解説 軍国主義下の大衆レジャー(世相の変化と大衆レジャー;大衆は映画の虜となる;大衆レジャーとしての演劇;次々に禁止されていったスポーツ;上野動物園は行楽活動のバロメーター;東京からレジャーが消えるまで)
著者等紹介
青木宏一郎[アオキコウイチロウ]
ランドスケープガーディナー。1945年新潟県生まれ。千葉大学園芸学部造園学科卒業。弘前公園(青森県)など公園・レクリエーション施設の計画設計を行う。東京大学農学部、三重大学工学部、千葉大学園芸学部にてレクリエーション論等の非常勤講師を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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臓物ちゃん
3
喫煙を国家政策として掲げたナチス・ドイツですら戦場の兵士にそれを浸透させることが出来なかったように、「欲しがりません勝つまでは」と叫んだ軍国主義日本もまた、国民から遂に娯楽を取り上げることは出来なかった。次々とレジャーが禁止される中、「鍛練」と称して海水浴に行ったりと弾圧の目をすり抜ける庶民たち。中でも映画は超人気で、東京大空襲の次の日にも映画劇場には客がいたというのには驚いた。禁止されればされるほど娯楽に飢えてしまうというのは、まるで禁酒法時代のよう。どんな時代でも娯楽は不滅だと教えてくれる一冊。2015/03/28