出版社内容情報
一杯の紅茶を楽しみながら、歴史を繙き、磁器を愛で…多様な文化が交錯するパリにあってこその、毎日の心躍る紅茶体験をつづる。
内容説明
パリに暮らして三十年、フランス料理とワインを愛好する著者ならではの好奇心で積み重ねた歴史と文化の街にあってこその心躍る紅茶体験。
目次
細密画の肖像のイギリス王
ポルトガルでは茶のことをシャアという
チャールズ二世と紅茶
ポルトガルから嫁いだキャサリン王妃と茶
南蛮屏風と茶
フランス人と紅茶
紅茶は気取った飲み物だった
プルーストの紅茶とマドレーヌ菓子
マドレーヌか焼きパンか!
アブダビの紅茶
十七世紀の染め付けと茶のブーム
ティポットが語る十八世紀の優雅
ワイマールで飲んだダージリンの一番摘み
お茶とワイン
ヨーロッパに紅茶を広めた国、オランダ
マルコ・ポーロと茶と磁器
烏龍茶の石乳香
朝一番に飲むダージリン
著者等紹介
戸塚真弓[トズカマユミ]
1961年、跡見学園短期大学卒業。1978年よりパリ在住。フランスワインと料理を愛好するエッセイストとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ろべると
10
パリと紅茶とはミスマッチかと思ったが、パリにはマリアージュ・フレールがあるし、サロン・ド・テもある。私が普段飲むカルディのティーバッグもパリの店由来だから、一部とはいえ飲まれているのだろう。パリ在住の著者は毎朝ダージリンを淹れるそうだが、少しでも気を抜くと美味しくならないそうだ。その作法を聞けば、私の飲んでる紅茶なぞは「色付き水」に過ぎないことが分かる。マルコ・ポーロらが西洋に持ち帰ったお茶の文化は、フランスでは上流階級の中で受け継がれてきたのだろう。著者は東西の文化の中でのお茶について、思いを巡らせる。2023/11/16
kurumi
5
どのようにして茶がヨーロッパに伝わったのか。パリでコーヒーやワインほど紅茶が好まれないのはなぜか。16~18世紀の世界史をからめて楽しく読ませてくれる。2011/03/08
ミカママ
4
もっと紅茶とそれにまつわるレシピだとか食エッセイなのかと思って読み始めたんだけど、ヨーロッパの歴史を中心とした難しいお話で少々疲れました。頭がさえてるときに読んだほうが○。2011/12/27
食物繊維
2
本当は文庫を読んだんですがこちらがあったので記録。 良い家柄の奥さまだと思うのですが親しみやすい文章で楽しく読めました。時代によるティーカップの大きさの違いとか、昔の磁器の高価さなど茶器に関する描写も多く、紅茶だけでなく烏龍茶系の飲み物についても書かれた予想よりやや広い範囲のお茶エッセイでした。フランス以外にはオランダやゲーテゆかりのドイツの都市も出てきて面白かった!2024/11/26
yuma
2
筆者のアカデミックで上流階級な暮らしぶりを紅茶を通じて伺い知ることのできる一冊。チャールズ一世から始まってヨーロッパの王室と紅茶の関わりの歴史、筆者が普段どのように紅茶を飲んでいるのか、フランスでの紅茶の扱いなどを考える。面白かった!2012/09/20