虐待の家―義母は十五歳を餓死寸前まで追いつめた

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120038853
  • NDC分類 369.4
  • Cコード C0036

出版社内容情報

それは死を招く「しつけ」だった――中3少年が体重24キロで救出された岸和田事件から4年、加害者との交流からその心の底を覗く。

内容説明

2003年11月、岸和田市で体重24キロの中3少年が、脳萎縮、皮膚潰瘍を伴う意識不明状態で救出される。家庭はいかにして危険な密室と化したのか―加害者の一人である母親と3年にわたる交流をもち、その心の底を覗いたルポルタージュ。

目次

序章 事件発覚
第1章 家族
第2章 裁判開始
第3章 面会
第4章 父と息子
第5章 「母親」という呪縛
第6章 疎外感を抱えて
第7章 それぞれの判決

著者等紹介

佐藤万作子[サトウマサコ]
1951年和歌山県生まれ。東洋大学社会学部卒業。出版社勤務などを経て、フリーライターに。『婦人公論』などに家族や“見捨てられた人々”をテーマにしたルポルタージュを発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

58
2004年の『岸和田中学生虐待事件』。当時中学3年生の男子が体重24キロ、脳萎縮の瀕死で見つかったという事件。…この被害者は(私の)娘とほぼ同年齢、逮捕された義母とも近い。当時、子供の反抗期に頭を悩ましていた時期だったので、とても記憶に残っています。その後、この事件がきっかけとなり児童虐待防止法も改正されます。改めて読むと、なんて悲しい家族なんだろうと思います。虐待は許されないけれど、この兄弟に悪さにもビックリします。義母となり苦労し、もう限界だったのかな。そしてあと少しで刑期が終わり、どうなるのだろう。2015/08/14

おかむら

40
事件モノノンフィクションは 好きでけっこう読むのですが、これは…。ドンヨリ感がすごいです。中3の息子を餓死寸前まで追いやった実父と継母。どんだけ鬼畜の所業なのかと思ったら、なんだか、一筋縄ではいかないというかー、とにかくドンヨリする読後感。なんもかもが悪い方へ悪い方へ歪んでいく家族。虐待の連鎖とかよくいうけど、これはもう特例と思いたいよ。恐ろしかった。継母は江國香織のファンだそうです。なんだかなー。2015/08/21

Maiラピ

34
2003年『岸和田中学生虐待事件』虐待した義母の心象風景に迫ったルポ。実父のいい加減さにも腹が立つが、義母の自己憐憫の自分史には気分が悪くなった。長男は回復しても脳と身体に障害を持つ身となった。信じられない!許せない!と思う。だが著者が言う『けれども、どこにでもいる、いや私自身と何ら変わらない、子育てに模索する母の姿でもあった。』そうなのかも知れない。『好きな作家は江國香織で、読んだことがないならお薦めは“きらきらひかる”。』これは餓死させようとした鬼のような義母の言葉、このサイトでもありそうな自己紹介。2012/02/22

cao-rin

30
岸和田中学生虐待事件。継母によるネグレクトにより15歳の少年が餓死寸前まで放置された虐待事件。長期間に及ぶ加害者とのやり取りの記録。確かに酷い。血も涙もない鬼母とも思ったが、どうも少し違う。私は実父の息子への桁外れた無関心と、継母の生い立ち、そして無知、想像力の無さが招いた結果だと思う。明確な殺意や共謀があったとは思えず、継母自身にも何かしらサポートが必要なのでは。実父と継母の非業をことさら責めて非難しても解決などしないだろう。15歳少年の母親への愛情の希求が根底にあったようにも思えてただただ切ない。2019/08/24

スノーマン

28
サブタイトルに『義母は十五歳を餓死寸前まで追いつめた』そのイメージでは酷い義母がいたもんだ、の一言だけど、著者の取材の内容を読むと追い詰められてたのは義母も同じだったのでは。今尚普通の青年の健康状態に戻れない被害者を思うとやりきれないが、腹の立つのは実父。幼児時代は放っておいて、体の成長した中学生男子になってから躾けようなんて(しかもやり方酷い)普通でも無理だと思う…。密室の家庭のなかの虐待。身も心も苦しむ子供がへるには、本当どうしたら良いんだろう…。2015/08/30

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