出版社内容情報
「これだけは書きたかった」という著者渾身のネズミの冒険譚に、讀賣新聞連載時より空前の反響が! 物語を愛するあらゆる年代の方へ。
内容説明
平和な川辺の暮らしは失われた。晩夏、安住の地を求めてネズミ一家の冒険が始まる。足元で脈動する世界に優しいまなざしを向け、柔らかい魂の手触りを伝える物語。
著者等紹介
松浦寿輝[マツウラヒサキ]
1954年、東京都生まれ。詩人、小説家、批評家、東京大学教授(表象文化論)。1988年に詩集『冬の本』で高見順賞、95年評論『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、2000年小説『花腐し』で芥川賞、2005年『半島』で読売文学賞を受賞するなど、縦横の活躍を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょうこ
57
小さなネズミが主人公で、今まで住んでた河原が道路になるからなかなかの冒険コースで川上まで引越しするお話。初読み作家さんだったが、読みやすく、そして可愛かった!続きもあるので、トライです!2015/11/12
ケロリーヌ@ベルばら同盟
32
表紙の絵、見返しの地図、挿絵が大変温かく愛らしい一冊です。東京郊外の川辺で先祖代々快適に暮らしてきた巣穴を、人間の勝手な護岸工事により追われた、クマネズミ父子三匹が、新天地を求め冒険の旅に出ます。小さな生き物に次々と襲いかかる自然の猛威、彼らを獲物として狙う天敵、無慈悲なドブネズミ軍団。絶体絶命の状況をお父さん、タータとチッチの兄弟は、愛と勇気と知恵で乗り越えていきます。川の光を求めて。他の動物の思わぬ助けや、人間の少年との触れ合いが心を潤します。賢く、弟思いのタータと、愛らしいおチビのチッチにメロメロ。2018/09/18
七色一味
25
読破。表紙の装丁から想像するだに──。私自身はネイチャーなアクティビティってそんなにやらないので、そういうのに興味を持たせてくれるお話かなー、と思っていたわけですが。あにはからんや、主人公は動物。それもクマネズミ。綺麗な川の近くに暮らすクマネズミの一家が、人間のエゴによる河川改修工事ですみかを奪われ、苦難の旅の末に、安住の地を見つける──簡単に言ってしまうと、こういう物語。一般を対象とした作品のようですが、文体自体は低年齢層向けに思え、そのために、逆に一般受けしない内容となっているように思えます。2012/02/23
ゆみねこ
24
読売で連載しているときに、毎日楽しく読んでいたもの。現在続編「タミーを救え」を連載中で、懐かしいこちらを見つけて読んでみた。クマネズミの父とタータ・チッチの3匹が住み家にしていた川を暗渠にされるということで、新しい家を見つけるために大冒険をする。小さく非力なネズミの親子が力を合わせて前へ進む、出会ったドブネズミ、スズメ、猫、もぐら、少年たち、動物病院の院長夫妻、そしてゴールデンレトリバーのタミーに助けられ安住の地を見つけるというもの。楽しくて好きな本。2012/04/10
カール
22
「小泉今日子書評集」で紹介されていて、興味を持った一冊。そこで目にしなかったら、多分読んでなかったと思う。読み終えた今は、この本を紹介してくれたキョンキョンに感謝です。新しい住処を求めてのネズミの親子3匹の旅。一難去ってまた一難。ハラハラドキドキの連続でした。地図の挿絵があったりして、子どもの頃に冒険物語を読んだ時の気持ちを思い出しました。続編があるので、そちらも読もうと思います。2016/08/30
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