内容説明
ポンペイウスは吠え、キケロは苦悩し、カエサルは決断した。独創的な切り口と熱い筆致と鋭い歴史眼とで新たに語られる、壮大でスリリングな歴史絵巻。
目次
第1章 矛盾だらけの国家
第2章 シビュラの呪い
第3章 幸運の女神
第4章 スッラ、帰る
第5章 名声を求めて
第6章 死肉の宴
第7章 快楽のつけ
第8章 三頭政治
第9章 イカロスの翼
第10章 世界戦争
第11章 共和政の死
著者等紹介
ホランド,トム[ホランド,トム][Holland,Tom]
1968年、イギリス生まれ。ケンブリッジ大学を首席で卒業後、英国にてラジオ番組のパーソナリティとして活躍。BBCラジオ4のために書き下ろしたヘロドトスやホメロス等の歴史物語シリーズで高い評価を得る。妻子とロンドンに在住。『ルビコン―共和政ローマ崩壊への物語』によって歴史ノンフィクションに与えられるヘッセル・ティルトマン賞を2004年に受賞
小林朋則[コバヤシトモノリ]
1967年生まれ。翻訳家。筑波大学第一学群人文学類卒業
本村凌二[モトムラリョウジ]
1947年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。西洋史学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
8
「こうしたウラとオモテの使い分けが、ローマの共和制を実質的に形作っていた。政体についてきたおまけなんかじゃない。共和制の本質そのものなのだ。ローマ人は、政治制度は首尾一貫していなくちゃいけないなどとは、これっぽっちも思っていない。システムが動きさえすればいいのだ。」最初の頃の一節です。原文の文体がこうなのか、翻訳者の勢いなのか、全編こんな調子。歯切れのいい、歴史ノンフィクションとしては異色の文体です。面白い。2007/10/12
ゆずこまめ
4
執筆当時まだ30代だった著者の年齢を反映しているのか、スピーディで砕けた訳文。ほこりをかぶっていない歴史という感じで読みやすいです。500年続いた共和政が滅ぶ劇的な瞬間を描き出すにはいい文体なのかも。何より正しいと信じていた共和政を捨てて生き残るという選択をしたローマ人はすごいと思う。2012/02/07
soichi
3
この本の魅力はローマの共和制の魅力 失ったものがどれほどのものだったか、その過程でうまいこと表現されてると思う2020/07/10
melkor
1
楽しく書かれてる。とても読みやすい。どうせ完全に事実にはならないという割り切ったために人物像と行動に腑に落ちないところが「ローマ人の物語」より遥かに多い。 しかし、読みやすく生き生きと描かれているだけに却ってローマの現実が目の前に広がっているように思い描くことが出来る。塩野さんならば絶対に書かないであろう負の側面もあっけらかんと書かれている点も好ましい。 楽しいついでに、日本史に重ねてみたくなる。スラは信長、マリウス本願寺、太閤ポンペイウス、カトー光成、カエサル家康、オクタビ家光。といったところか。2016/10/10
muko1610
0
★★★★2011/06/04