暗闘―スターリン、トルーマンと日本降伏

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  • サイズ B6判/ページ数 602p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120037047
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0021

出版社内容情報

米ソそれぞれの黒い「時刻表」をめぐって、野望と思惑と駆引きが交錯する。はじめて国際的文脈から完璧に描き出された太平洋戦争終結の真相。1945年夏のドラマは複雑で冷酷だった。
太平洋戦争終結の全体像を、はじめて国際的観点から緻密に分析し、ドキュメントタッチで描いた画期的労作!

内容説明

米ソそれぞれの黒い「時刻表」をめぐって、野望と思惑と駆引きが交錯する。1945年夏のドラマは複雑で冷酷だった。はじめて完璧に描き出された太平洋戦争終結の真相。

目次

序章 最後への競争
第1章 日露米三国関係と太平洋戦争
第2章 スターリン、トルーマン、天皇の新しい課題
第3章 戦争と平和の決定
第4章 ポツダム会談―太平洋戦争の曲がり角
第5章 原爆とソ連の参戦
第6章 日本の無条件降伏受諾
第7章 「八月の嵐」―日ソ戦争とアメリカ
結論 とられなかった道

著者等紹介

長谷川毅[ハセガワツヨシ]
1941年、東京に生まれる。東京大学教養学部教養学科卒業。ワシントン大学で博士号取得。77年、アメリカ市民権取得。北海道大学スラブ研究センター教授を経て、カリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部教授。ロシア史、日露関係を専門とするが、最近は冷戦史に研究領域をひろげている。著書に、The Northern Territories Dispute and Russo‐Japanese Relations,vol.1:Between War and Peace,1697‐1985,vol.2:Between Neither War nor Peace,1985‐1998(University of California,International and Area Studies,1998)(大平正芳記念賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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yoshida

117
大東亜戦争の日本政府の敗戦に至るまでの、アメリカとソ連の駆け引き。原爆が完成したことによりソ連参戦の必要がなくなったトルーマン。ヤルタの密約で満州、南樺太、千島列島から北海道までを狙うため、一刻も早く参戦したいスターリン。読んでいて暗澹たる気持ちになる。日本政府内でも、敗戦は自明で最終的な国土は日本列島のみと分析していた。なぜ早く和平できなかったのか。アメリカとソ連の国際法違反の惨憺たる被害を、非戦闘員である市民が引き受けた末の敗戦。戦争は相手国のある事で講和は困難かも知れないが、余りに犠牲が多すぎた。2017/05/20

遥かなる想い

99
太平洋戦争終結時の米ソの駆け引きを描いた作品である。この戦争を 日本とソ連中心に据えた視点は新鮮で興味深い。 終戦後の自国の利益を最大化させるための 米ソの思惑が詳細に描写される。 原爆投下とソ連参戦…そして日本降伏… 当時の各国の首脳たちの思惑が 今に伝わる、 暗闘の歴史本だった。2022/09/13

かんがく

8
太平洋戦争終戦というと、沖縄戦と原爆投下と「日本の一番長い日」と聖断といったところがフィーチャーされることが多いが、ロシア史研究家の著者が、そこにソ連の参戦を大きなファクターとして入れている。中立国のソ連に終戦の仲介を託したい日本、ソ連参戦前に日本を降伏させたいアメリカ、中立条約を破って参戦して満州・朝鮮・樺太に果ては北海道まで手に入れようとするソ連。原爆よりもソ連の参戦の方が日本の降伏に対して大きな影響を与えたという論。北方領土問題も深く理解できる。2017/04/07

takao

4
ふむ2024/01/06

フンフン

3
日本の終戦にいたる過程は、これまで無数の歴史書に描かれてきた。アメリカによる原爆投下とソ連参戦が日本の統治中枢者に終戦の決断を促したことは疑いないが、その過程でソ連と米国の間にどのようなかけひきがあったのか、なぜアメリカは原爆投下を急いだのか、なぜソ連は講和仲介をしなかったのか、その過程を研究した労作。著者は日本人で、米国の大学でロシア史の学位を取り、米国籍を取得して米国の大学でロシア史の教鞭をとるという特異な経歴の人物。米国とロシアの原史料を読みこなせる著者にして初めて実現できた本。2020/10/02

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