内容説明
本書では、不良債券問題を軸に迷走を続けてきた議論を整理し、銀行業とマクロ経済学的視点のなかで解決への基本的視座を提示する。
目次
第1章 迷走する金融論議
第2章 不良債権問題の本質
第3章 金融システムの中期ビジョン
第4章 後発国型銀行モデルからの脱却
第5章 構造改革はなぜ必要か
第6章 深刻な財政赤字問題
第7章 インフレ目標政策への懐疑
著者等紹介
池尾和人[イケオカズヒト]
1953年、京都府生まれ。75年に京都大学、80年に一橋大学大学院博士課程修了。岡山大学、京都大学を経て、現在、慶応義塾大学教授。日本ファイナンス学会会長、日本郵政公社理事(非常勤)、金融審議会委員、財政制度等審議会財政投融資分科会委員、産業構造審議会産業金融部会部会長、税制調査会金融小委員会専門委員等も務める。経済学博士。経済学のなかでも最も難しいとされる金融理論を、明快かつ平易に解説する手腕には定評がある
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2023/05/16
kumonosuke
0
10年前の金融の話では色褪せてしまっている。2013/10/27
Kosukekeke
0
経営者を変えて効率的運営をすれば邦銀は良くなる、という当時の世論に対し、問題の根はもっと深く、マクロ的であるので、経営者変更というミクロな対策では解決不可と著者は論じる。「日本の経済が諸外国のフォローアップ期を脱したのに未だに製造業支援に特化したビジネスモデルを転用していること」に加え、「国の悪政(浪費、改革の後回し等)」が問題の本質だから、根本的解決には国民にも負担が生じるし、さもなければ国がデフォルトした時に預金者は痛い目を見る(預金は間接的な国債保有だから)のだから、腹を括れ、と。説得力あります。2012/03/17