内容説明
巨大な包囲陣を形成しつつ、北フランスを疾駆するドイツ装甲軍団。しかし、連合軍殱滅の一歩手前で、ヒトラーは謎の停止命令を下し、掌中の勝利は幻と化した。この第二次世界大戦最大のミステリーを、ドイツ連邦軍軍事史研究局に所属する著者が厖大な史資料を駆使して検証する。精密な分析とスリリングな描写に彩られたドイツ軍事史の精華である本書は、伝統的なシステムと技術革新との相克という永遠の課題を照射する。
目次
第6章 ムーズ戦線の崩壊
第7章 海峡沿岸部への突進と「無防備になった側背」の問題
第8章 「ダンケルクの奇跡」
第9章 西方戦役の終結
第10章 勝利と敗北:その要因
著者等紹介
フリーザー,カール=ハインツ[フリーザー,カールハインツ][Frieser,Karl‐Heinz]
1949年生まれ。旧西ドイツ連邦国防軍に入隊し、冷戦終結以前に長らく部隊勤務を務めたのちに戦史研究を志し、連邦国防軍の戦史研究機関である軍事史研究局に転属。ソ連におけるドイツ軍捕虜の実態を研究した論文『鉄条網の背後の戦争 ソ連におけるドイツ軍捕虜と「自由ドイツ」国民委員会』で博士号を取得した。現在、軍事史研究所第二部長(第二次世界大戦史担当)、ドイツ連邦国防軍大佐
大木毅[オオキタケシ]
1961年、東京生まれ。立教大学大学院博士後期課程満期退学。90年より92年にかけてDAAD(ドイツ学術交流会)奨学生として、ボン大学に留学。国際政治史専攻。千葉大学その他の非常勤講師、「昭和館」運営専門委員を経て、現在著述業
安藤公一[アンドウコウイチ]
1957年、大阪市生まれ。92年、関西学院大学大学院文学研究科修了。専攻は西洋近代史。現在、大阪学院大学、関西福祉科学大学非常勤講師。日本医療学院専門学校ドイツ語教師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。