内容説明
邪馬台国の比定地論争は江戸時代から続き、今日に至っても定説とされるものは成り立っていない。おびただしい比定地論争もさることながら、著者は長年この「国」を検証してみたいと思っていた。誰がこの「国」を起こしたのか。国号はどう読まれたのか。この「国」はどういう「王朝」が統治したのか。そして、どういう性格を持った「国」だったのか…。『万葉集』をみると、「やまと」にかかる枕詞に「虚空見つ」という言葉がある。この意味することは何か。遙か古代、遠い空からこの国を眺めおろした人物がいたという。では、この人物とは誰か。彼はどのようにして空中高くから大和を見下ろしたのか。―邪馬台国の疑問を解く糸口は、こうして目前に現れたのである。
目次
第1章 邪馬台国の解明(国号「虚空見つやまとのくに」;祭政二重主権;物部王朝の系譜 ほか)
第2章 物部王朝成立時の究明(考古学の見解に対して;物部降臨神話の検証;物部本宗の分析 ほか)
第3章 全国制覇に向けて(四国路の物部勢力;東海地方の物部勢力)
著者等紹介
鳥越憲三郎[トリゴエケンザブロウ]
1914(大正3)年、岡山県笠岡市生まれ。38年、関西学院大学法文部文学科卒業。大阪教育大学教授を経て、同大学名誉教授。日本生活文化史学会会長。文学博士。専攻は文化人類学、古代史
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