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内容説明
民俗の根源にひそむ悲しくも美しい魂を天才と直感と直観とで見事に捉えた名著。
目次
沖縄の肌ざわり
「何もないこと」の眩暈
八重山の悲歌
踊る島
神と木と石
ちゅらかさの伝統
結語
神々の島、久高島
本土復帰にあたって
著者等紹介
岡本太郎[オカモトタロウ]
1911(明治44)年、東京に生まれる。東京美術学校に入学後間もなく渡欧、パリ大学ソルボンヌで哲学・社会学・民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと交わる。37年、国際超現実展に招かれ「傷ましき腕」を出品。46年以降、現代芸術の旗手として次々と話題作を発表する。96年、死去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
25
「芸術は爆発だ」と宣われた著者。本も書かれている事は知らず。父方の祖父は魯山人の師匠であったという。著者が59年に訪れた時の紀行文+66年に久高島再訪。先日読んだ又吉栄喜の「豚の報い」にも出てくる風葬。琉球神話の聖地、久高島での祭りは御嶽(ウタキ)と呼ばれる神の降りる場所で女性のみで執り行なわれていた。チベットの鳥葬はよく知られているが、沖縄の風葬も近年まで(一説では著者が訪れ風葬は封印されたとも言われる)実施されていたとは驚くばかり。八重山には薩摩に強制された人頭税があった事など独特の風習を持つ沖縄2018/10/31
ナディ
21
岡本太郎の本は初めて読むが、鋭い観察眼と感性と知性に裏付けされていて、とても新鮮だった。イザイホーの描写には鳥肌ものだった。風葬事件のいきさつを他の本で読み、やっとこの本を手に取った。芸術家としての感性と民俗学という観点からの視点で沖縄を観ている。2016/07/09
イボンヌ
9
岡本太郎さんは凄い。ご本人撮影の写真も多く掲載されていますが、それらも素晴らしいです。2019/05/12
ウクレレまさあき
5
沖縄は本島と石垣島に計4回行った。時間にルーズで、掴みどころが無くて、圧倒的に綺麗。 ここにあるのは返還前の沖縄。神や行事が直ぐ隣にある。辛いことが沢山あっても、悲壮感はない。 「外から来るものは、一応無条件で迎える。なだめすかして、なるべくおとなしく引き取ってもらう。」なるほど。 岡本太郎はこのような文章を書くのか。 久高島行ってみたい。2022/03/26
nchtakayama
4
今私の胸には、太郎のあとがきが響く。「沖縄の復帰は嬉しい。しかし現実的には様々の問題がある。いわゆる本土の人間が、ただ領土という感覚でなくてこのことをもっと骨肉にこたえて感じとるべきなのだ。」「私は沖縄の人に言いたい。復帰が実現した今こそ、沖縄はあくまでも沖縄であるべきだ。沖縄の独自性を貫く覚悟をすべきだ。決して、いわゆる『本土なみ』などになってはならない」辺野古の基地移設、問われているのは本土の我々の方だ。いつまで無関心でいるつもりなのか。本物の政治家は誰なのか。あなたは己を何者だと思っているのか。2023/10/05