内容説明
江戸の春、将軍の庭に遊ぶ人々。将軍とその一門、政府高官や京の公家たち。江戸宮廷の華やかな園遊会。江戸の秋、大坂で客死した将軍の棺が上陸する。庭を沈黙が支配し、待ち受ける政府面々を憂色がつつむ。将軍の庭だった浜離宮庭園―この場所と風景についた歴史の追憶。あるいは浜庭に交錯する政治と儀礼。よくもあしくも私たちの江戸があり、「始まりの終わり」の場所がある。
目次
第1部 花の御庭(最後の桜―浜御殿奉行;宮廷の庭―浜御庭拝見;奥と御成)
第2部 嵐の庭(「芸術」の庭―黒船・砲術・電信機;改革の庭―将軍家茂上洛始末;「瓦解」の庭―内憂外患を過ぎて)
著者等紹介
水谷三公[ミズタニミツヒロ]
1944年生まれ。東京大学法学部政治学科卒。東京都立大学教授を経て、現在、国学院大学教授。行政学、日英近代政治専攻
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