内容説明
1400kmを48日かけて歩いた道中で、写真家が見たもの、出会った人、考えたこと。四国霊場マップ、遍路必読ガイド付き。
目次
徳島―発心の道場へ(擬死再生の産道、鳴門の渦潮;一番札所―旅の始まり ほか)
高知―修行の道場へ(寝付かれぬ夜;室戸岬の札所を「打つ」 ほか)
愛媛―菩提の道場へ(お陰をいただく;トイレに関する恐怖体験 ほか)
香川―涅槃の道場へ(真っ赤に染まった納経帳;生き続ける空海 ほか)
著者等紹介
小野庄一[オノショウイチ]
写真家。1963年岐阜県生まれ。東京経済大学・写真専門学校卒業、週刊誌の委嘱写真記者を経て独立。満100歳以上の人々のポートレイト集で、第30回太陽賞(平凡社/93年)を受賞。受賞作は写真集『百歳王』(新潮社)としてまとめられ、ラフォーレ原宿など各地で写真展が開催される。現在、ヌードも含めた様々な被写体をモチーフに創作活動を続けている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
38
通し打ち47日間で歩いた四国遍路の手記。さすがに写真家、感性溢れた写真と文章で構成されている。完全歩きを目指した旅も体調の悪化でクルマのお接待を受ける。自分の弱さを責める以上に、人の親切や温かみを素直に感じていく。感謝の気持ちを自然体で受け止める著者の心境の変化は、遍路がもつ力が作用したと思える。無心で歩く旅は、いつしか気負いがなくなり、尖った心も修正されていく。四国遍路の魅力を淡々と語ってくれたと思う。一昨年の私の歩き遍路は、クルマのお接待を頑なに断った。なんで完歩に拘ったのか、いまだに答えは出ない。2025/03/25
yk
4
すごい一冊。たまたま古本屋で見つけましたが表紙が何気に恐くて、もっと古い本なのかと思ってたけどわりと新しめでした。タイトル通り徒歩遍路をされたのですが、徒歩遍路ってのはいったいどのくらい時間がかかって、泊まるところはとか、食料はとか、危なくないのかとかいろいろ思いながら読みました。答えはここに書いてありましたよ。そして後半もう悟ってきてるなという感じになってました。ただただお参りとお経をしながら長い距離を歩くというのは自分と向き合わざるをえない状況を作り、これを終わらせることができる人は一皮むけるんだな。2019/01/14
Zunda
1
卒業論文で四国遍路を取り上げることにしました。それでいくつか読んだ中で一番内容が面白かったのがこの遍路体験記です。写真家という人種は、やっぱり感性が優れていると思います。自分の考えを実直な言葉で文章にすることの難しさは身に沁みてわかるので、こういう人は尊敬しちゃいますね2022/10/03
suntalk
1
写真家の方が四国八十八ヶ所を通し徒歩遍路した体験記。民宿、宿坊、善根宿に泊まったり、野宿もしながらの体験は、通し徒歩遍路したいと思っている自分にとって随分参考になった。2022/05/10