出版社内容情報
ぼく夢をみているんだろうか、それとも…空想少年ピーターのスリリングでちょっぴり切ない秘密の冒険。ブッカー賞作家が、子供と、昔子供だったすべての人に贈るとっておきの物語。
内容説明
ぼく、夢をみているんだろうか、それとも…。空想少年ピーターのスリリングで、ちょっぴりせつない秘密の冒険。ブッカー賞作家が贈る、とっておきの物語。
著者等紹介
マキューアン,イアン[マキューアン,イアン][McEwan,Ian]
1948年、イギリスのハンプシャー生まれ。サセックス大学卒業。イースト・アングリア大学創作科修了。75年にデビュー短編集『最初の恋、最後の儀式』でサマセット・モーム賞受賞。長編小説に『時間のなかの子供』(87年度ウィットブレッド賞受賞)、『アムステルダム』(98年度ブッカー賞受賞)などがある。現代イギリス小説界の第一人者
真野泰[マノヤスシ]
1961年生まれ。学習院大学英米文学科助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(C17H26O4)
54
とってもよかった。体は机にむかっていても頭が勝手に好きなところへ遊びにいってしまったり、起きているのに夢をみたりするピーターくんは、そのせいで失敗してしまうこともあります。でも、彼の想像の世界は本当に楽しい。とっても自由。単に面白いだけじゃない。誰かの立場を想像してみたら。そこに大切な気付きもあります。想像が瞬時にぐぐーっと広がっていく感じ、想像と現実が絶妙に混ざり合い、どっちがどっちなのか分からなくなっちゃうような感じはきっと大人にはもう体験できない。いいなぁ、ちょっと羨ましい。2018/10/11
amdd
6
ピーターは夢見がちな男の子。ぼんやりと空をながめながら考えごとをすることもしょっちゅう。大人たちは、ピーターのことをちょっと頭の弱い子だと思っている。でも、お父さんやお母さんや妹のケイト、それから一部の人たちはピーターの頭の中でおもしろいことが起こっているのを知っている。これはピーターが大人になって、ものを発明したり、お話を書いたりするようになるまでの七つの冒険。何でもできると信じていた子供の頃の無敵感と、空想と現実が入り乱れた感じが相まって、とても素敵な物語になっている。子供にもおすすめ。2011/08/28
ゆーかり
4
ブッカー賞受賞作家による、想像力と変身をテーマにした子供と大人のためのお話。空想癖のある少年ピーターは、気がつけば思いは他の所へと行き、別な人物になって様々な冒険をする。相手と入れ替わる事によって分かる事。ネコの話も良かった。人形/ネコ/消えるクリーム(ピーターの断捨離っぷりに圧倒される)/いじめっ子/とろぼう/赤ちゃん/大人。変身とは、オウィディウスの時代から書かれている様に、あらゆる文学にとって殆どオブセッションに近いテーマ。2014/12/07
akio
1
まさかマキューアンが。というくらい意外な作品。 でも大事に大事にしたい暖かみ溢れる素敵な作品。
ピコ
0
「どろぼう」が好き。ピーターが勝手につけた〈セッケンのサム〉にちょっと笑った。2014/04/03