内容説明
敗戦後、わが国が独立を回復して半世紀が経つ。わずか50年。にもかかわらず、その大半の時空が別世界に感じられる。第一、独立を回復したということ自体に、今、どれほどの人がリアリティーを感じるか。ふたたびにもかかわらず、ここに現在のさまざまな原点があるのは疑いがない。わたしが見直したかったのは、その演劇面での基本的なフレームである。今日を読み解く鍵の一つであればと願ってお届けする。
目次
1 戦後演劇空間論(戦後演劇はどこへ行くのか;戦後五十年の現代演劇史 ほか)
2 演者漂流(八千代座と玉三郎;高麗屋三代の襲名 ほか)
3 携わる人々(戦後の暗さ―木下順二の『暗い火花』;蜷川幸雄評 ほか)
4 社会を映す鏡(新国立劇場の新しい波;コクーン歌舞伎 ほか)
著者等紹介
大笹吉雄[オオザサヨシオ]
演劇評論家・大阪芸術大学教授。1941年生まれ。早稲田大学文学部演劇科で郡司正勝に師事。『演劇界』編集者を経て75年にフリーとなる。歌舞伎・新劇・ミュージカルからアングラ演劇まで分野にとらわれず幅広い評論活動を展開している
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