内容説明
50歳を越えて、1860年、千人の同志とともに遠征軍を組織し、両シチリア王国、パレルモとナポリを解放し、全イタリアの統一のために戦い続けた男、ジョルジュ・サンドが当時、「この鉄の男、この火と燃える魂」と語った男、ガリバルディ。そのファンタスティック(奇想天外)な生涯と時代、歴史を、5幕17景のオペラのように描く。
目次
序曲 オペラ的人生
第1幕 原初に船乗りありき(一八〇七~一八三五)
第2幕 地球の裏側の戦士(一八三五~一八四八)
第3幕 国民の英雄(一八四八~一八六〇)
第4幕 従順なる兵士ガリバルディ(一八六一~一八六六)
第5幕 老戦士(一八六七~一八八二)
フィナーレ 人間の声
著者等紹介
ガロ,マックス[ガロ,マックス][Gallo,Max]
1932年、フランス、ニース生まれ。作家、歴史家。フランス社会党の国会議員、ヨーロッパ議会議員など政治にも携わる
米川良夫[ヨネカワリョウフ]
1931年生まれ。イタリア語、フランス語専攻。国学院大学文学部教授
樋口裕一[ヒグチユウイチ]
1951年生まれ。フランス文学、アフリカ文学翻訳家。また小論文指導者でもある
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感想・レビュー
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スー
16
45イタリアの歴史をあまり知らないのである程度ガリバルディの人柄は分かったけど流れは分かりづらかった。ただ教皇・フランス・オーストリア・プロイセンが絡んで来るので当時のイタリア家具複雑な状況はよく伝わってきました。イタリアの歴史を学び直してから再チャレンジしたいです。2022/05/29
水無月十六(ニール・フィレル)
3
赤シャツ隊指揮官ガリバルディの生涯を書いた本。英雄叙事詩的文体は原文からそのままなのだろうか。イタリア史を通読してから読んだので、ところどころ、あ、これはこの時の話だなというところが想像しやすく読みやすかった。冒険物とか英雄譚が好きなので、この作品もお気に入り。ただこの作品は単なる英雄譚ではなく、その限界も描き出している。ガリバルディの生涯は、血と汗と哀愁で彩られている。2015/09/01
ハヤブサの竜
0
講談調ではじまるから、ガリバルディを英雄仕立てに進むのかと思ったら、同時代の人間としての限界を赤裸々に書いてた。ただ、ガリバルディだけを中心に進むので、ある程度の歴史知識が必要。ないと読み難いったらありゃしない(あっても読み難いか)2014/09/19