中公叢書
文明の生態史観はいま

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120031199
  • NDC分類 204
  • Cコード C1020

内容説明

梅棹忠夫の「文明の生態史観」は、1957年2月に発表された。従来になかった新しい世界像のなかに日本文明を位置づけた構想力と独創性によって、日本人を勇気づけ、いまや古典となっている。本書は、「文明の生態史観」の誕生と成長の過程を追い、「海洋史観」の川勝平太氏と交わした対話などによって、その今日的・普遍的意義を新たに提示する。さらに、生態史観にもとづき日本文明の歴史を概観し、その未来像を大胆に打ち出す。

目次

第1章 「文明の生態史観」の誕生と成長
第2章 対談 日本文明の未来をかたる(梅棹忠夫;川勝平太)
第3章 対談「文明の生態史観」の今日的意義(梅棹忠夫;川勝平太)
第4章 梅棹生態史観と川勝海洋史観―四人の識者からのコメント
第5章 講演 海と日本文明

著者等紹介

梅棹忠夫[ウメサオタダオ]
1920(大正9)年、京都市に生まれる。1943年、京都大学理学部卒業。理学博士。学生時代の白頭山登山および大興安嶺探検以来、調査、探検の足跡は、ひろく地球上にしるされている。京都大学人文科学研究所教授、国立民族学博物館長をへて、現在は同館顧問、名誉教授。専攻は民族学、比較文明学。1994年、文化勲章を受章する。著書は『文明の生態史観』『東南アジア紀行』『サバンナの記録』『知的生産の技術』『地球時代の日本人』『日本とは何か』『情報の文明学』など多数。いずれも『梅棹忠夫著作集』(全22巻 別巻1)に収録。近著に『行為と妄想』『近代世界における日本文明』がある
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感想・レビュー

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南北

6
梅棹忠夫と川勝平太との対談が2本とその対談に対する4人の識者のコメントなどが収録されています。やはり2人の対談が知的な刺激を与えてくれます。専門化しすぎて、全体とのつながりが見えなくなっている昨今の学問とは違って、時代も地域も縦横に広がる対談を読むのは楽しいものです。最初の「生態史観」からどう発展してきたかがわかりますし、「生態史観」から比較文明学につながってきた経緯も見えてきます。対談に引用された本の中にも読んでみたい本が何冊も出てくるような楽しい読書体験ができる本だと思いました。2018/12/21

ダージリン

4
梅棹忠夫氏の文明の生態史観はだいぶ昔に読んでおり、長命な本だし感銘を受けていたので、あらためて復習の意味も込めて。文明の捉え方が今でもユニークだし、京大は独創的で魅力的な学者を多く輩出していることをあらためて思う。川勝氏は静岡知事時代にリニアで大きく評判を落としてしまったが、お二人の対談は非常に刺激的。2025/04/20

ヤス

2
原書より面白い、思考を深めてくれる知的な対話とはこういうものを言うのだろう。飾らない、阿ない、受け入れる2016/10/06

刻猫

1
島嶼連合という語りが、今後の歴史にどう現れるかが、特に興味深い。2018/04/22

かりん

1
5:原著を読んでいればいいかなと思っていて、読んでいる途中でもそう思っていたのだが、川勝さんが持論を語りだした途端から、俄然おもしろくなった。こんなにいろんな本を続いて読みたくなるのも久しぶり。西太平洋国家連合。特殊日本ではなく普遍日本。文明の販売論、文明の百貨店。産業革命ではなく勤勉革命。勤勉は後天的資質。陸の原理、海の原理。遡及的な知的見取り図の転換。乾燥地帯は内陸の海。おぼこい民族。2010/06/04

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