内容説明
人間を幸せにできない「国家」を問う。北朝鮮の飢餓難民の子どもが描いた絵の分析をはじめ、ユーラシアの東と西で「国家」の狭間で苦しむ人びとを著者独自の視点で捉える迫真レポート。
目次
1 「北朝鮮棄民」極秘面接記(脱出難民たちの無気力と困惑;子どもたちの身心を蝕む慢性飢餓;金正日体制の威嚇の裏にある甘えの構造)
2 「傷ついた大国」ロシア―バルト諸国、西ウクライナに映る(ロシア・ナショナリズムといかに付き合うか―エストニアから;「EU加盟」を切望するバルトと事態を受け入れられない旧超大国―ラトヴィアから;「信仰」と「民衆」そして「抵抗への道」大国の傍らに咲く小国の心情―リトアニアから;バルト三国の独立で漂流する“飛び地”―ロシア領カリーニングラード;新宗教を求めるロシア民衆の心情;無力さと心の温かさと―ロシアの列車の中で;異邦人の見た夢―ガリシアへの旅;大ロシア主義の落とし子、プーチン大統領)
3 イスラエルの「二重性」の中を走り抜けた一四日間
4 台湾大地震被災地を歩く