内容説明
伝説のカフェの栄光の軌跡。1940~70年代、パリ、サンジェルマン・デ・プレ。老舗カフェの栄光時代を築いたオーナーの孫がつづる、店を愛した芸術家や有名人たちの、知られざるエピソード。
目次
序 思い出の継承者たち
1 才人たちの鏡
2 運命のオーナー
3 燃え盛る十五年(1945年~1960年)
4 秋の冷気
5 彗星の尾
感想・レビュー
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Honey
3
サンジェルマン・デ・プレの老舗カフェ、フロール。その黄金時代のオーナー、ポール・ブバル氏の孫が、祖父に代わり過去を再現記録。ルエルグ出身のブバル氏の個性、従業員、客…1つのカフェの栄光と変質が社会情勢の変化を映す。そして今「オーナーの去った後(略)仕事に励む人々と客がもう二度と顔を合わせることがなくなったばかりか互いの存在を想像することもできなくなった」しかし「ちょっとした後退、ちょっとした休憩について、人は寛容であることができないだろうか」過去を丁寧に見ていくことが、よりよき未来への鍵となる筈。2013/08/31