内容説明
西欧・イスラム・中国の三大文明が中世以降に分岐し、封建制度が西欧と日本だけに形成された理由は何か。西欧型の発展史観に代わる、壮大な歴史仮説。
目次
批判的歴史主義に向かって
二つの封建制
二つの中世について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
5
どちらかというと経済学系の社会分析を得意とする筆者ですが、今回は歴史を世界史的な観点と日本の封建制を対比させて中世を詳しく分析しています。ロストウの段階論説やダニエル・ベルなどの資本主義分析などに匹敵する分析であると私は感じています。2013/10/26
Tomoichi
3
西欧型の一元的発展史観に代わる多系的歴史観を基にトインビーや生態史観を批判しながら世界史再解釈を試みた「批判的歴史主義に向かって」は、かなり難解で知識の土台がないので何度も迷子になりました。「二つの封建制」「二つの中世について」は、固定観念的封建制や中世についての理解を新たな目で解放してくれる。2013/11/20
冬至楼均
1
旧来の文明の単系進化を批判。 農耕の形態が文明の形態に大きな影響を与えると言う視点は秀逸。2021/10/10