ラストオーダー

ラストオーダー

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  • サイズ B6判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120027222
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

現代イギリス文学界の旗手が描く過ぎた日々の記憶と、現在が行きかう濃密な作品世界―’96年度ブッカー賞受賞作。亡き友の最後の願いを叶えるため、四人の男は海へ向かう。挫かれた夢、嫉妬や裏切り、そして美しい思い出…とむらいのドライブが進むにつれ明らかになる、それぞれの人生と関係。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

92
スウィフト読み直し:5年前に同訳者の『最後の注文』をクレストブックスで既読。初期の訳で再読。次の世代につなげていくのは子供たち。彼らの親の世代は自らの子に関わるが、彼らには子供との距離がある。自分の子に向き合えないジャック、実の子とも、adaptedした子とも。娘たちに去られるレイやレニー。ヴィンスまで。しかし、他人の子をふいっと引き取るジャック。彼女の親も娘に去られているのだよな。1000ドルと遺灰についての頼み。灰にまみれて息子となる。男女の愛は交錯しても、親子の情や友情はしぶとい。2023/10/24

白玉あずき

19
登録数すくなっ!と思ったら、クレスト版と違う中公版。翻訳者が一緒なのを確認して一安心。やっと読んだスウィフトは、期待通り本当に良かった。登場人物達の関係性と家族の名前を覚えた頃には、もう涙腺緩みっぱなし。とりわけ輝かしいこともない平凡な男たちの一生の終幕。過去の記憶、後悔も無念も怒りも今やすっかり温度が下がって、程よく心ざわつくレベル。一人一人の欠点も優しさもしみじみと、このような老年の姿は「人生なんとか成功」の部類に混ぜてあげてもよろしいのでは。それにつけても最後まで難しいのは親子の関係だなあ。2016/06/04

ソングライン

14
戦争から戻り、肉屋として一生を過ごした69歳の男ジャックが残したラストオーダーは自分の灰をマーゲイドの海にほおってくれというものでした。彼と長いあいだ仕事終わりのパブで過ごした同い年の3人の友人、彼の養子、そして妻が語るジャックとの関係。それぞれに知ることの無かった秘密が読者だけに明らかにされていきます。本当のところでは人は孤独ですが、そのさみしさを少しでも慰めてきた彼らの友情にホッとしました。2018/11/11

がぁ

5
老人の思い出話を書いて、しかもこれだけの長さで、一気に読ませるって相当の力量なんだろう。だからブッカー賞なんだろう。続けて追っかけていきたい作家にめぐりあった。それにしても英国社会の厳しさと懐の深さには言葉もない。2012/06/09

大西正志

3
遺骨は海に撒いてくれという男の依頼。古くからの友人3人と養子である息子が海辺まで遺骨と共に旅をする。道中、男と家族、彼らをめぐる思い出が語り手を入れ換えながら短いセンテンスで語られる。彼らはイギリスの中産階級というか労働者階級に属す人々。男達がパブに集う文化。戦前から戦後の歴史を歩んできた。彼らの関わりはもつれあい、秘めた裏切りがあることが、少しずつ明らかにされる。でも、海に向かい散骨する場面、思い出を共有する彼らは、不思議なほど心地よく感じる。2019/09/05

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