内容説明
大量移民が起した知的緊張。創られた国家アメリカの歴史は、絶えざる自己認識の歴史である。移民急増による国家解体の危機と、比類ない多様性の文化の現況を、アメリカ思潮の変遷の中に読む。
目次
第1部 アメリカ人の自己像
第2部 アメリカ文化と知識人
第3部 総合的なアメリカ理解を求めて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 橘苑
18
「『日本への自叙伝』でエドウィン・O・ライシャワーは、アメリカを理解するということがいかに難しいことかを考えもせず、多くの日本人がアメリカを理解しているときめてかかっていると指摘した」とある。自身の力不足から、著者の真摯なアメリカとは何か?の問いに、答えるどころか、ますます混乱をきたしてしまった。仕方なく、断片的な言葉をかき集めてみる。遠心力としての多文化主義は、単一の「アメリカンドリーム」を打ち砕いてしまった。又、アイデンティティの細分化を続けて行くことは、アメリカ建国の理念に反することではないのか。2016/02/22