郊外のブッダ

郊外のブッダ

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  • サイズ B6判/ページ数 444p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120025983
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

イギリス文壇の過激な挑発者が放つ抱腹絶倒の自伝的処女長編。フリーセックス、パンク、ドラッグの嵐吹き荒れる70年代。17歳のカリムの運命は、インド人の父親が突然“教祖”になって大波瀾!70年代ロンドンを舞台に描く抱腹絶倒の青春小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

130
作者の父がインド人、母がイギリス人。本人はイギリス人のつもりで友人に囲まれて育っても、どこかカルチャーの根っこは違う。しかし、息子が父に抱く反感と畏敬の念、そして自分が成長するにつれ見えてくる親の欠点と弱さ、その中での家族の変容と結びつきはどこの国にでもあることだろう。つまり、作者自身がイギリスの中で持つエキゾチックな部分と、当たり前に経験する普遍的なものがうまく融合され、移民文学という枠を完全に超えた一つの文学を為している。そして全体を包むユーモア。おすすめの一作。2017/02/02

まふ

113
作者の父はインド人、母はイギリス人で本人は英国生まれの生粋の英国人。とは言っても親戚知人はインド系の文化が濃厚に染み出すまさに融合文化だろう。主人公のカリムは英米のロックを聞く若者だが、父はヒンズー教を捨て仏教に走り白人イギリス人を感動させて教主的存在になる。カリムは兄弟、親戚などの影響を受けつつ、多様な性と麻薬・覚醒剤の洗礼を受け「立派な」青年になってゆく。ある種のビルドゥンクス・ロマンともいえよう。とはいえ、どこかとっつきにくさ隔靴掻痒感は奥深いインド的世界だからであろうか。G1000。2023/10/31

NAO

71
イギリス人の階級間格差ははっきりとしており移民の有色人種に対しても強い差別意識を持っている。とはいえ、郊外に安穏と暮らし見栄の消費に奔走しながら、物質主義だけでは満たしきれない心の隙間を埋めようと東洋哲学に入れ込んだりする。郊外に住む似非教祖のインド人に救いを求めるイギリス人中流階級への皮肉をこめながら、救いもなく行き場のない貧しい移民たちの暮らしを描く。似非教祖の息子カリム・アミールは、そういった移民たちの希望の星なのだ。2020/06/14

ヘラジカ

28
簡単に言ってしまえばロンドン郊外に住む二つの帰属意識と民族意識に悩めるインド系青年のサクセスストーリーである。しかし、もちろんそれだけの単純な作品ではない。人種差別や植民地主義、経済格差や性的モラルの欠如などをもりもりに盛り込み、イギリス文化の華やかさと闇を鋭く描き切っているのだ。代表的なポスト・コロニアリズム文学と言って良いだろう。猥雑さと洗練されたインテリが混在するカオスの世界を描きながらも、ホームドラマ的な爆笑要素も兼ね備えた傑作中の傑作である。2016/01/20

Э0!P!

1
超然としている父やチャーリーのように振る舞い訛りを受け入れる、チャーリーはパンクの連中に合流し今やスターとなる(鉤十字をつけた彼をエヴァは初め受け入れないが結局応援)、芝居は上場で大物のパイクも観にくる・テリーは自分がスカウトされると信じているがスカウトされたのはカリム・カリムはシャドウェルの次の作品に出ることを拒否する、パイクによるお互いに体を触れ合うレクリエーション2025/01/03

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