ザ・グレート・ゲーム―内陸アジアをめぐる英露のスパイ合戦

ザ・グレート・ゲーム―内陸アジアをめぐる英露のスパイ合戦

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  • サイズ B6判/ページ数 386p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784120021213
  • NDC分類 391.6
  • Cコード C0022

内容説明

19世紀初頭、ロシアは中央アジアに南下を始めた。インドを経営していたイギリスにとってそれは脅威であった。そして地図上の空白地帯となっていた中央アジアを調査し、先手を打って緩衝国化することが焦眉の急となった。その二大帝国の政治・軍事上の情報合戦が“ザ・グレート・ゲーム”である。ゲームの舞台は極めて広大で、西はコーカサス、東はチベットに至り、大砂漠や険しい山脈が横たわっている。双方の戦士たちは探検の先駆者であり、冒険家でもあった。本書は、内陸アジアに精通した著者がジャーナリストとしての目を通して描く壮烈な歴史ドラマである。

目次

黄禍
ナポレオンの悪夢
すべての道はインドに通ず
地上最大の要塞
キング・メーカーたち
長剣の夜
峠の大虐殺
ロシアの大前進始まる
シルクロードのスパイたち
カーブル城の血の海
パミール高原の発火点〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおにし

15
グレートゲームとは、1810年から100年間の間に、中央アジアの覇権をめぐって、ロシアと英国がくりひろげた戦略的な抗争をいう。本書はその間にゲームに参加した無名なプレイヤーたちの姿を描いたノンフィクション。ヒーローがいないゲームを淡々と描いているだけであるので、小説のような面白さはないが、英露の工作員に翻弄されながら自分たちの故郷を守るために戦った中央アジアの人たちの存在には心を打たれた。現在でもアフガニスタンの内戦が続いている。グレートゲームが終了し、中央アジアに平和が訪れるのはいつのことだろうか。2019/12/31

roughfractus02

7
帝国の情報将校が冒険家を名乗る時、国境を越えて各地の帝国に情報を売る民間の冒険商人と交差する。19世紀後半の冒険物語は、中央アジアをチェス盤に見立てた多数のエージェント=駒が配置されたゲームとして記される。マクロレベルではコーカサス、トルクメン、ブラハ、ヒヴァ、コーカンドへの人と情報の動き(露)とインド、アフガニスタン、ペルシャ、チベットへの動き(英)が、2大帝国の力の拮抗を表す。一方ミクロレベルでは中央アジア諸民族の抵抗や迎合の力が描かれる。空間化された戦争は多元的な網目の中で展開する(邦訳は要約版)。2020/03/05

TK39

2
土地勘がなく、登場人物も多数出てくる。読むのに苦労したものの、どのようにロシアが中央アジアを征服したのかが分かる。なお、相当にイギリス視点。 英露による中央アジア争奪をグレートゲームと呼ぶのは違和感があるが、彼等からしたらそうなのだろう。 アフガニスタンは英露が入り混じる地域であったし、1979年のソ連侵攻、21世紀初頭のアルカイダなど色々と複雑な地域だ。今も昔と変わらない。2018/07/28

(ま)

1
19世紀帝国主義の時代、インドの北西に開いた地政学上の穴、帝国の墓場中央アジアを巡る英露の確執の中の冒険者たちのドラマ、現在に至るまでの混迷の元2021/09/25

あらい/にったのひと

1
グレート・ゲームを取り扱った本だけど、なんというか銃とラクダと探検の時代のお話。ミクロな探検家(まあ軍人などなんだけど)とマクロな政治の思惑が何枚も重なっていく、古き良き時代的なアレです。スチームパンク分は薄い。鉄道が少ない地域だからね。訳者あとがきや本文最後の一節など、文章の趣もあって大変に良い1冊。2018/09/13

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