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内容説明
本書は、アメリカの女流作家ジョーン・ディディオンが、一見はなやかなトロピカル・リゾート地マイアミの奥に潜む人種対立、いかがわしいカネの流れ、ラテン・アメリカ的異国情緒、すでに人口の六割を占める亡命キューバ人の心情を独自のアングルから取材し、抑制のきいた精確な筆致で、初のキューバ出身市長を選出したマイアミのラテン・エリート文化とアメリカの既成階級の習俗や思考との衝突を鮮やかに描き出した異色のルポルタージュである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ecriture
2
記者上がりの作家によるルポルタージュ。キューバ系移民の人口が80年代当時で56%、今や60%を超えたマイアミでのアングロ系とキューバ系の危うい関係性を記録する。ピッグス湾上陸作戦失敗以降のワシントンとマイアミの確執、キューバ移民の情熱に対するオーヴァルオフィスの裏切り。JFKの「キューバ人の後始末」発言、レーガンの自由戦士支援の隠蔽などアメリカの暗部が明るみに出される。キューバ人部隊アルファ66の詳細やマイアミに1万人以上いたかもしれないCIAエージェントなどJFK暗殺事件の背景に関わりそうなものも沢山。2012/09/10