内容説明
現代切り絵の第一人者が、乙女のういういしい恋から人妻の妖艶な情愛まで、多彩な名歌35首をとりあげ、鋭い刀技と艶やかな色彩によって展開する新鮮で豊饒な万葉の世界。大岡信氏による懇切な歌の解説とドナルド・キーン氏の宮田切り絵によせるエッセイ等を収録。
目次
万葉逍遙
宮田さんの切り絵
切り絵の恋歌に心はずませて
宮田雅之切り絵の世界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルピニア
31
万葉集の恋歌の中から宮田氏が35首を選び、歌の世界を切り絵で表現した画集。率直な恋情が艶かしい女体や凛とした風景に込められている。女性の衣服の模様も印象的。大岡信氏による歌の解説も嬉しい。歌を視覚であじわい、解説で理解を深めさらに想像の世界を広げることができた。表紙の画は、「玉垂の小簾のすけきに入り来ねたらちねの母が問はさば風と申さむ」簾にうつる影と女性の表情に引き込まれる。私のお気に入りは「この花の一よの内に百種の言そ隠れるおほろかにすな」「真木の上に降り置ける雪のしくしくも思ほゆるかもさ夜問へ我が背」2017/04/16
shou
4
万葉集の恋の歌を切り絵と共に。『夏の夜の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものそ』2016/10/15