内容説明
食と嗜好の刺激的文化論。フランスの美食、イギリスの粗食―海峡を隔てて隣接する両国の伝統的な違いはどこから生じたのか。ドラマチックに変化する嗜好の歴史を、調理方法や料理書の研究を通じて解明する。
目次
序論
食欲の文明化
ポタージュとポトラッチ―中世の食
ルネッサンスからフランス大革命まで―宮廷の食べ物と在郷の食べ物
ルネッサンスからフランス大革命まで―フランスとイングランド、その違いの理由
職業としての料理―大革命以降のシェフとその顧客たち
職業としての料理―業界誌
ブルジョワ時代の家庭料理
家庭のコックの啓蒙?
ガストロノームとガイド
食べ物への嫌悪
対照性の減少、多様性の増大
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
海峡を挟んで隣り合うイングランドとフランスの食文化を、中世より話を起こして概観していく。社会構造や辿った歴史、環境の差が「素材の味をそのままに地産地消」を旨とするイングランドと、「技巧を尽くして洗練を極める」フランスというそれぞれの文化を生み出した事を、膨大なる資料を駆使して語っていく。レストラン、ホテルなどの外食産業、レシピやグルメを伝える婦人雑誌というメディア、そして「どんな食べ物を嫌う」か、など視点は幅広い。食文化は本能などではなく、人間の社会的な、特に階級の産物であるという考察が興味深い。2015/10/21
あかふく
0
レヴィ=ストロースに代表される構造主義的な食に関する議論を簡単に紹介した後、その限界(歴史的な変化を考慮することができていないこと)を指摘して自らの立場(とくにノルベルト・エリアスに負うところが大きい)を明らかにしてから本論に入る。ロラン・バルトがかなり恣意的な解釈を行っていることを批判したりしつつ、中世から現代までを主にイングランドとフランスという対立軸を使いつつ概観し、食がどのような意味を付されてきたかを述べてゆく。何故か抄訳らしいのでご注意。2012/10/15
ぼてちん
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読んでみたら抄訳だった。地理的にも歴史的にも近いイギリスとフランスが、フランス=美味、イギリス=不味いという料理文化を持つことになったのか。現代を見据えつつ史料を駆使し、過去の研究をどんどん覆して行く本。2012/01/27




