感想・レビュー
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きさらぎ
3
後に『西の関ヶ原』と改題されたらしいが、原題の方が断然いい。物語は関ヶ原の戦い前夜から始まる。大友宗麟の息子吉統という凡庸な主君の器量を知りながら、それでも彼を押し立てて大友家を再興しようと図る田原紹忍の奮闘を軸に、主に豊後を舞台に九州の武将たちを描く。暗躍する黒田如水が怖い(笑)紹忍は初めから家康が勝つと見込み、東軍につくことで大友家再興を図るのだが、不本意ながら西軍につくことになる。それが一番大きいが、とにかく紹忍の図るところことごとく挫折挫折の連続なので達成感的な意味での気持ちよさは皆無である。2018/01/31