喪失 ([新版])

喪失 ([新版])

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  • サイズ B6判/ページ数 259p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120002816
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ソングライン

12
青春の時に心に潜む万能感と傲慢、そしてまだ何ものにもなっていない不安感と滅亡への憧れ、それらを描く作者の初期作品集。美しい伯母のために蝶を千切る「蝶をちぎった男の話」、自尊心のために相手を傷つける傲慢を描く「喪失」、円熟した中年男性への嫉妬が痛ましい「封印は花やかに」、未来への希望を描く薫君シリーズとは正反対の20歳の作者が描く鋭利な青春の一面です。2025/06/17

まんだよつお

4
20歳という若さでこんな小説を書き上げた作者(ぼくにとっては庄司薫)は本当に早熟の天才だった。収録3編とも、美しい叔母に恋する若者の純粋さと残酷さを、まさに筆が走るままみっしりと描き切っている。それにしても、彼にとってもぼくら読者にとっても幸いだったのは、この後、『赤頭巾ちゃん』までにほぼ10年の沈黙があったこと。純文学の呪縛を逃れ、作者独自のスタイルで「若々しさのまっただ中で犬死しないための方法」を描くまでは、ぼくら読者が想像もできない習作期間が必要だったのだろう。2025/12/24

ksk

1
芥川賞作家庄司薫がまだ福田章二の頃の処女作品集。「蝶をちぎった男の話」「喪失」「封印は花やかに」の3作から成る。薫くんシリーズを読んで庄司薫の他の作品も読みたいと思ってこの作品を読むとあまりの文体の違いにびっくりすることだろう。ただ、文体は変わっても著者が作品の中に嵌め込んだ主題は一貫している。それは後書きや「狼なんかこわくない」にも書かれているが「若さ」や「力」や「比較競争」の構造を通した古典的青春論の再考、青春のある意味においての政治学的分析である。それにしてもこれを20歳で書くとは恐ろしい知性だ。2016/01/30

アボカド

0
「喪失」を検索して、ほとんど誰にも知られていない現状を見て、自分の年齢を思い知らされた気になった。若さの持つ残酷さ。独りよがりの自惚れ。尖った感性に触れたと感じた小説だったが、今となってはそれも繰り言か。昨今の高校生はどんな本を読んで感動しているのだろう?

Sean

0
東大卒の作者はまずかなり賢いなという印象を受ける。 三篇を含むこの小説に通底しているのは若者が恋愛を通して恋敵と争い傷つけるという筋書き。 作者自身はあとがきにおいて若さがその可能性を実現するにあたって他人と競争しなくてはならない点に言及し、その中で失われてしまう大切なものを書こうとしたという。 今時こんなに考えて日々を過ごす人がいるのかどうかは気になる。。2014/12/31

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