出版社内容情報
谷崎潤一郎／原作 佐藤慶／朗読
『刺青』若い刺青師清吉は、麻酔で眠らせた無垢な少女の肌に女郎蜘蛛を彫り、長年の宿願を果そうとする。人間の倒錯的な心理をあざやかな文体で描いた代表的短編。『秘密』変装し街中を放浪するという秘かな楽しみを持つ“私”が、ある時、昔なじみの女と再会し、奇妙な逢瀬を重ねるようになる。人間心理の迷宮を描いた傑作短編。
発行形態:新潮ＣＤ
判型:[1CD]75分
ISBN:978-4-10-830180-1
発売日:2006/04/21
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ででで大王
0
反抗少女
santana01
0
中途半端に終わらせず、真っ当に倒錯し続ければ世界が逆転する物語。いずれの短編も谷崎の初期の作品だというから最初から完成されていた作家も存在するということ。性を触媒とした男女の関係を裏切ることによって成り立つ愛もある。二つの物語の登場人物たちがこの一種異様な世界観を当然のごとく受け入れ、読者もそれに違和感を覚えることがない。「刺青」では蝶のように少女が女に生まれ変わる場面に圧倒されるし、「秘密」では秘密を終生抱え続けなければならない主人公の行く末が気になって仕方がない。2013/05/06
