感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
96
KUにて3巻まで読了。カルロ・ゼンさんのやつは現代日本の大学を舞台にした『テロール教授~』は個人的に不発だったけれど、異世界戦争モノを描いた本作は当たり。「王国」と「連邦」という2つの強国に挟まれて、連邦の庇護に入りながら一時的な平和を手に入れた共和国で「独立自治」を強固に訴えて開戦も辞さない自国民を押さえつける通称「売国機関」の活動を描いた物語。言葉もシナリオも難解で、だれがだれの味方なのか、だれがなにをしようとしているのかわかりにくいけれど、引き込まれる魅力がある。2021/07/05
exsoy
43
張りつめた糸の上にかろうじて立っているような「平和」。戦争を経験したからこそ戦争は嫌いだって良くわかる。それにしても原作者、ノリノリである。2019/08/17
トラシショウ。
37
「部下が死ぬと分かってそれを命じた。美しい大義の為に私の部下が死んだ。素晴らしいとでも?結構!結構!屈辱程度飲み干せ。貴様らの自慰に私を付き合わせるな」。東の王国と西の連邦の二大国に挟まれた小国・チュファルテク合同共和国。国を焼いた手痛い終戦ののち、未だ歪んだ愛国心をくすぶらせる国内の火種の駆逐に従事する軍内特務機関・通称「オペラ座」を率いるヨランダ・ロフスキー少佐らの暗闘を描く、異色の「戦後」と「平和」についての物語。扇情的なタイトルと表紙からして、相当に攻めてる内容だなぁ(以下コメ欄に余談)。2019/03/01
harass
36
kindleUnlimited.原作者名と題名が気になっていた本が無料になっていたので読む。というか原作小説はなかったのか。第一次大戦直後のポーランドをモデルにした、領土を2つの大国、ロシア、プロシアに挟まれた小国での、防諜部隊の活躍。偽悪的な言い方にちょっとひっかかるが、なかなか面白い。日本は島国で良かった。敗戦はしたがようやく手に入れた平和を維持するためならどんな手段でも取る。画力が高いが、解説が最小限のため、意味が取りづらい部分があったのだが、四巻をすぎるとさらに追えなくなった。いったんここで登録。2024/11/23
まゆにゃ
25
kindle。某レフトノベルの背面のようなお話。攻殻機動隊的でもあるか。血泥の戦場から戻った彼等“塹壕貴族”が、今度は防疫の最前線で大活躍。長い戦争に、銃後で戦争中毒症に成り果てた豚に、血塗れの甘い夢からいい加減に目を覚ませ、戦争は終わった、現実を見ろ、ダイエットだと尻を蹴飛ばし、尚も阿片毒を貪ろうとする者には永遠に夢を見ていられるように鉛玉を処方し、病気を治しましょう、予防注射もしましょうとの広報活動も入念にし。さあけんぜんなせかいへのとびらをひらきませうー。うー?2019/02/11