出版社内容情報
読める、わかる――21世紀の小林秀雄。
昭和33年春から「新潮」に連載、昭和38年夏、中断し、再開に至ることなく晩年には出版をも禁じたベルグソン論の後半。他に、最晩年の雑誌連載「正宗白鳥の作について」(未完)を併録する。
内容説明
雑誌連載五年を経て中断、ついに刊行も禁じたベルグソン論…。著者の遺志の告知のために、特に別巻として収録する。併せて最晩年の雑誌連載、未完の正宗白鳥論―。
目次
昭和三十三年(感想)
昭和五十六年(正宗白鳥の作について)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠野一義
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旧字体の全集で既に読んではいたが、再読。ガッチガチのベルクソン(ベルグソン)論。独特の語り口で読者にベルクソン哲学を再認識させながら、自分の論に引き込む手腕は流石の一言。一応未完ということにされてはいるが、これだけでも充分楽しめた。出来れば読書会で扱ってみたいテクストだが、少しキツいかも分からん。2014/06/24
yoyogi kazuo
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以前読んだ時は正宗白鳥論を中心に読んだが今回はベルクソン論を中心に読んだ。相対性理論や量子論を論じた最後の部分が圧巻。2024/03/03
yoyogi kazuo
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未完となった遺作「正宗白鳥の作について」が読みたくて図書館で借りた。ベルグソンについての解説も収録されているがこれは途中で放棄され、全集にも収めないようにと小林の生前の強い意向があったというが、雑誌に発表もされているので別巻の中に入れることになったらしい。確かに哲学を持て余している感はあり文芸評論のようにはいかなかったか。2021/12/12