出版社内容情報
読める、わかる――21世紀の小林秀雄。
昭和33年春から「新潮」に連載したベルグソン論。第56回をもって中断し、再開に至ることなく単行本の上梓も禁じた未完の思索。著者の遺志の告知のために、特に別巻として収録する。
内容説明
昭和三三年、五六歳の春から雑誌連載五年―。昭和三八年夏に中断し、晩年には出版も禁じたベルグソン論。著者の遺志の告知のために、特に別巻として収録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoyogi kazuo
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未完に終わり小林が出版を禁じたといういわくつきの論文だが中身は骨太で濃厚。冒頭のおっかさんの話がやけに浮いているが好き。2024/03/03
さえもん
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まだ別巻2を読んでいないが、ここまでの感想は、『本居宣長』と同じ感じ。ベルクソンの言わんとすることを何とか自身の経験に即して伝えようと闘っている著者の姿が目に浮かぶ。小林秀雄は、『感想』を失敗作として、その発刊を禁止したらしいが、人間の本質に関わる問題については、起承転結という具合にきれいに論理的にまとめられるものではないし、この堂々巡りのような著作は、人間の本質をついていると思われる著作の「感想」としては成功をおさめていると言えると思う。別巻2とあわせて何度も味わいたい作品である。2019/12/26