出版社内容情報
読める、わかる――21世紀の小林秀雄。
人生の骨法と、思索の手法とを学んだひとり、フランスの哲学者アランの名著「精神と情熱とに関する八十一章」の完全翻訳を一挙収録。昭和10年33歳の夏、信州・霧ヶ峰にこもって取組んだ労作。
内容説明
小林秀雄が生き方の骨法を学んだひとり、フランスの哲学者アランの名著の完全翻訳―。一章一章は短い。一日一章という読み方もある。至るところで、はっとする…。
目次
翻訳/精神と情熱とに関する八十一章(アラン著)
「精神と情熱とに関する八十一章」訳者後記
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MatsumotoShuji
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030516
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再読。小林秀雄は、アランの他にも、ランボーの詩、ヴァレリィーの「テスト氏」など翻訳しているが、大体、自身の思想/関心に関連するものを訳している。アランについては、小林がベルクソンとの比較で名前を出されているのを読んだことがあるが、認識の枠組みを設定する悟性の機能、或いはその限界を語っている。「これが手だ」(中原中也)という「名辞」以前の世界への手触りの希求は、初期から一貫して問題にされているが、ランボーやヴァレリーと連続するものとして小林の中にはあたったと言えるかもしれない。2023/08/12