目次
自作を語る―『方舟さくら丸』(談話)
人物ウイークリー・データ安部公房(談話記事)
ものの見方としてのドキュメンタリーについて(談話)
核時代の方舟―第54回新潮文化講演会(講演)
『方舟さくら丸』を書いた安部公房氏に聞く(インタビュー)
生きることと生き延びること新潮45編集部(インタビュー)
方舟は発進せず斎藤季夫(インタビュー)
重層的な騎馬物語―木下順二『ぜんぶ馬の話』(選評)
Diana Cooper‐Clark宛書簡(書簡)
気になる著者との30分小川琴子(インタビュー)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mak2014
2
1巻が5年間にも及んでいる。公房の創作の苦しみが感じられる。最後長編となるはずだった『スプーンを曲げる少年』へ進みそうで遅々として進まない。2012/09/02
roughfractus02
1
コードの行方/言語の生得説、ピジン語とクレオール語、DNA、右脳と左脳の機能の区別等、演劇を解散し、小説の発表も稀になった彼は、逆に生命というプログラムを作るコードに向き合う。宇宙開発競争でSFの危機が叫ばれた50年代後半から60年代初めに、プログラムを瞬時に実行するコンピュータを前にした彼は、人間をコードを作る側に回れと主張した。そして今、コンピュータ管理する核の恐怖の世界で、彼は人間生命の只中にコードを見出す。同期を非同期させる鍵はここにあるかもしれない。「スプーン曲げの少年」がフロッピーに残された。2017/02/19
Bevel
1
28巻は、「方舟さくら丸」を書いたあと、「スプーン曲げの少年」が「飛ぶ男」に変わるまで。「本能」、「縄張り」、「御破算主義」、「ことば」、「国家」、「科学」、これらの独特の関係が思想として存在していること。思想が集まって、仮説(ユープケッチャやスプーン曲げ)に関わること。そして、小説は忘却される思想をきっかけに書かれること。2013/02/23