内容説明
私生児として生まれ、行商の養父・母と流れ歩いた木賃宿。上京して転々とした女中、売り子、女給…そして男達。極貧のなかで書いた「放浪記」の明るさと詩情から傑作「浮雲」の成熟まで、ひたむきに生き急逝した47年。
目次
数奇な運命(明治36年・出生~大正10年)
東京放浪(大正11年~昭和2年)
文運開ける(昭和3年~昭和7年)
戦火のなかで(昭和8年~昭和20年)
憑かれたように(昭和21年~昭和26年・死)
評伝(磯貝英夫)
一枚の写真―品の前に佇む人(中沢けい)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
274
林芙美子の名前はずっと以前から知っていたし、『放浪記』も知っていた。しかし、これまで彼女の作品とは何となく距離をおいたままであった。特に理由とてなかったのだが。林芙美子が生まれたのは、明治36(1903)年、下関または門司である(両説)。亡くなったのが昭和26(1951)年。47歳の生涯であった。当時としては、特別に短いというわけではないが、それにしても駆け抜けて行くような人生だった。下関から、長崎〜佐世保〜鹿児島〜尾道〜東京〜尾道〜東京と何度も移動を繰り返しているし、またこの間に台湾、パリ、ロンドン⇒2025/09/07
GELC
9
ようやく読み終えた放浪記、そして芙美子自身のことをもっと深く知りたくて購入。写真が豊富で読みごたえがあった。個人的には、自分が子供の頃までは尾道に残っていたような風景がかなり掲載されていて、懐かしく鑑賞できたのが楽しかった。次は風琴と魚の町あたりを読もうかな。2023/07/15
iwashinyan
4
『放浪記』を深く愉しみたかったので描かれている時代の背景や林芙美子さんの生きてきた過程を知りたくて読みました。写真が特に豊富で良かったです(*^^*)2017/09/05
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