出版社内容情報
仏教の教えには、たくさんの〝矛盾〟がある。その矛盾を解消しようと、ブッダの後継者たちは必死になって「言い訳」を積み重ねてきた。同時にそれは、仏教を世に広めようという涙ぐましい努力の跡でもあった――。「ブッダは眠らない?」「殺人鬼も解脱できるワケ」「肉食禁止の抜け道」……難解で非合理的な教義も、すべて「嘘も方便」だとわかれば、もう仏教なんて怖くない! 仏教を進化させた「言い訳」から、その本質に迫る。
内容説明
仏教の教えには、たくさんの“矛盾”がある。その矛盾を解消しようと、ブッダの後継者たちは必死になって「言い訳」を積み重ねてきた。同時にそれは、仏教を世に広めようという涙ぐましい努力の跡でもあった―。「ブッダは眠らない?」「殺人鬼も解脱できるワケ」「肉食禁止の抜け道」…難解で非合理的な教義も、すべて「嘘も方便」だとわかれば、もう仏教なんて怖くない!仏教を進化させた「言い訳」から、その本質に迫る。
目次
第1章 眠らないブッダ
第2章 悪業をめぐる苦しい言い訳
第3章 布教のための言い訳
第4章 戒律の抜け道
第5章 言い訳から生まれた大乗仏教
第6章 仏教は言い訳で進化した
著者等紹介
平岡聡[ヒラオカサトシ]
1960(昭和35)年京都市生まれ。京都文教大学教授。浄土宗僧侶。専門は仏教学。佛教大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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bapaksejahtera
15
書題からスッタニパータや法句経辺り、仏教成立期の仏説のちょっとした揺らぎを話題にするのかと思ったが、原始仏教と大乗や時には南伝各派教義の相反する点を面白おかしく述べる本。歴史的宗教は、キリスト教始め創唱者と後の教義に矛盾のない物などない。著者の本は何冊か読んだが大いに失望した。後段で従来の仏教に関する一般書が研究者臭強い事から、笑いやユーモアに満ちた仏教書を目指したとある。確かに多様な経典のエピソードを述べ新知識もあるのだが、せめて出典は示して欲しい。どういう読者を想定して書いた本なのか、疑わしく思った。2025/04/11
れい
8
【中央図書館】正確には、言い訳をしていたのはブッダ本人ではなくて、後世の僧籍にあった人たち。ブッダ本人は何も文章を残さなかったので、弟子たちが口伝として伝えたものが残存しているのみで、その内容には矛盾もある。その辻褄を合わせるために苦渋の辻褄合わせをした者たち。また、教団を導き勢力を広げるために政治的利用をしようとして編纂されたものなど、言い訳の意図は一つではない。現存している経典は、ブッダ本人が伝えたかったものとは大きく隔たりがあるのかもしれないという懸念も大きいけれど。軽快でアイロニック。2024/06/21
乱読家 護る会支持!
6
●ブッダは、「目覚めた人」だったので眠らない。ゆえに、夢を見ない。夢を見たのはその一つ前の菩薩の段階であるという言い訳。 ●ブッダの死後、輪廻を受け入れ教理の体系化をしたブッダの弟子たち。この世の不条理を前世の報いとする業報思想を作り出した。 ●修行で神通力を持った弟子たちが簡単に殺されてしまう理由は、神通力は、持っても使ってはいけないから。 ●五戒の「生物を殺さない」。「自分はその動物が殺されるのを見ていないから良い」。。仏教だけでなく、キリスト教含めて伝統宗教は言い訳しつつ成長していったようですね。2024/04/09
トト
5
仏教の教理について、一見矛盾したような事柄を、どのように辻褄合わせをしてきたか、言い訳について説明する教則本。ノリは軽い。 善行をすると良い結果、悪行をすると悪い結果(自業自得)になるとは限らない現実に対して、輪廻というシステムを構築する。現世ではダメでも来世で、現世がダメなのは前世のせい。宗教って、今の頑張りが報われるのは死んでからというパターンが多い。死ぬまで分からないから頑張るしかない。 ちなみに、極楽には仏陀みたいな男しかないそうです。究極の幸福は、強欲の人間にとってはつまらない気もします。2023/12/21
ユウユウ
2
言い訳が良いワケ2025/02/10