出版社内容情報
「死んだ男」が都知事選に立候補――。屈指の選挙マニアが半世紀分の資料から発掘した、衝撃の事件簿。
内容説明
「放送禁止用語」連呼の政見放送。「死んだ男」が都知事選候補に。バキュームカーで選挙活動。全部ホントの話です。選挙マニア秘蔵の衝撃的事件簿。
目次
第1章 死人が立候補した都知事選
第2章 267人もの立候補者が出た村長選
第3章 選挙前に人口が増える「架空転入」の村
第4章 投票所が全焼、水没、連絡が取れない…
第5章 選挙権が剥奪されていた島
第6章 書類送検、辞職で議員がゼロに
第7章 450万円で立候補を取りやめさせる
第8章 無言の政見放送が流れた参院選
第9章 選挙で荒稼ぎする方法
著者等紹介
宮澤暁[ミヤザワサトル]
1984(昭和59)年東京都生まれ。東京理科大学理工学部卒業後、埼玉大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。化学関連企業に勤務する傍ら、個性的な候補者や珍事件など変わったトピックスを扱う選挙マニアとして活動。Actin名義でブログや「選挙ドットコム」等に寄稿中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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HANA
66
都知事選の幽霊候補(本物)とか政見放送で放送禁止用語とかが前面に出されていたので、キワモノ候補を集めた本かと思いきや、選挙の問題点を炙り出しにする真摯な一冊であった。死人が立候補した都知事戦にしても事実は想像以上に真っ黒な選挙戦術であったり、架空転入の実態であったり戦後選挙権を奪われていた島であったりと、様々な事例が例に出されて飽きないし、それが問題意識に直結する構成も見事。それにしても津軽選挙と甲州選挙、名前だけは聞いたことがあるが実際知ってみるととんでもないな。皆さんも大切な一票、是非行使しましょう。2020/12/04
yamatoshiuruhashi
52
自ら「選挙マニア」と称する著者はジャーナリストでもましてや政治家でもない。ただ驚くようなしかし事実である選挙について語られている。戸籍上死亡している候補者が出馬した都知事選にはじまり、村長戦に200名を超える立候補者が出た事件、選挙の前に突如として人口が増える架空転入など驚くばかり。現金が飛び交う「津軽選挙」。そのような事件で裁判にかけられた議員が青少年に与える影響について問われ「子どもにわからないようにしなければならない」と答えたこと。驚くばかりだが地方の濃密な人間関係の中に生活している自分にとって→2022/03/21
hatayan
49
選挙マニアを自認する著者が選挙で起きた奇妙な事象を網羅。地方都市で定数の4分の3の議員が逮捕された議会が機能不全に陥った事例、選挙前になぜか人口が急増する都市、僻地であるがために選挙権を剥奪されていた地域など。終章では、ろう者が立候補する場合の政見放送の取扱で議論があったことを引いて、障がい者の参政権に射程を広げようとします。近年出版された選挙のドキュメントとして泡沫候補を掘り下げた畠山理仁著 『黙殺』が記憶に新しいですが、ニッチな事例を通して民主主義のあるべき姿を著者には追求してもらいたいと感じました。2020/07/22
kawa
32
選挙マニアによる選挙面白読本。「267人もの立候補が出た村長選」「選挙権が剥奪されていた島」(青ヶ島)等、人間社会の愚かしさや可笑しみ話がいくつも…。2022/12/17
おいしゃん
28
前々から政見放送って面白いなぁと思っていたので、「選挙マニア」の著者による、「トンデモ選挙」の数々はどれも興味深ください読めた。2021/07/14