新潮新書<br> 女系図でみる日本争乱史

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女系図でみる日本争乱史

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  • サイズ 新書判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106108310
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0221

内容説明

みんな身内の争いだった―母親が誰かに注目した「女系図」を丹念に読み解けば、日本史のややこしい部分がすべてクリアに見えてくる。なぜ中大兄皇子は長い間天皇に即位しなかったのか、応仁の乱の本当の原因は何だったのか、徳川慶喜はなぜ戦わずして降伏したのか。乙巳の変(大化の改新)、新羅親征、壬申の乱、平将門の乱、関ヶ原合戦、戊辰戦争等、日本の転機となった争乱の見方が一変する一冊。

目次

第1講 乙巳の変と大化の改新―天皇の妻子が増える時
第2講 新羅親征―中大兄はなぜすぐに即位しなかったのか
第3講 壬申の乱―持統天皇の革新性
第4講 恵美押勝の乱―女系で栄え、女系で滅ぶ
第5講 薬子の変と母子処罰三事件―卑母腹と廃太子
第6講 平将門の乱と前九年・後三年の役―婚姻が招いた大争乱
第7講 保元の乱と源平合戦―悪口とお下がり妻
第8講 承久の乱―本当に女の戦いだったのか?
第9講 応仁の乱―相続の転換期が生んだ大乱
第10講 関ヶ原合戦・大坂の陣―淀殿悪女説の出所
第11講 戊辰戦争―女系図が恨みの連鎖をほどく

著者等紹介

大塚ひかり[オオツカヒカリ]
1961(昭和36)年生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ykmmr (^_^)

125
日本に何故、『藤』を使う苗字が多いか?『田』・『木』とかなら分かるけど…。という感じであるが、その『答え』がこの本に書いてある。理由は、藤原(中臣)の鎌足が関係している。皇室に嫁がせたのは、息子の不比等が発端だとは思うが、世の実力者は、味方は勿論、敵方にも娘を嫁がせ、親戚関係を強めたり、勝者・敗者も融合させてしまう。自分が勝・敗者関係なく、『権威』として残ることよりも、自分の『家系』を系図に刻み、『歴史』に残す事に力を入れていると思う。2022/10/06

neimu

57
2時間一気詠み。気分転換しようとしたら止まらず。ああ、やっぱりこういう歴史の世界が好きだなあ、学生時代万葉集や「日出づる処の天子」「眉月の誓い」等が好きだったから古代史はときめく。筆者は学生時代から系図を作って楽しんでいたそう。こんな人と学食でおしゃべりしたかったな。貴族も武士も天皇家も、幕府もこの視点で一気に読み解いていく。貴種は滅びずか。なのに今現在は男系天皇のみ認めて女系は許せん云々であいも変わらずもめとるな。下々の発想ではどうしようもないということか。こういう話を学生の時に一杯聞きたかった。2021/09/17

ユウユウ

29
これはもう大塚史観と言っても良いのかな。時折、女系にこだわりすぎてやや無理があるかなという部分もあったけれど、歴史の流れのなかで女系の力を借りていく権力の姿をわかりやすく解説されていて面白かった。2020/01/02

エドワード

27
書評を読んで。系図がすごい!歴史小説では家族が詳しく描かれるが、歴史の授業では父方の家系図しか出て来ない。傾城史観というのが面白い。国を傾けるほどの美女にかまけて政務を怠る君主より、美女が悪い、という女性差別も甚だしい歴史観だ。歴史書は男が書くから、北条政子、日野富子、淀殿らは悪女だ。しかし古代からずっと、戦とは覇権争いである。室町時代に長子単独相続になり応仁の乱が大乱になった、というのは頷ける。有栖川家の母を持つ徳川慶喜は武家より公家、という説も面白い。そういえば「青天を衝け」に吉子夫人が出て来たな。2023/06/16

mm

20
歴史の裏舞台を覗く、通説に逆パンチ、のような展開を楽しむためには、まず表舞台を知っている、通説に馴染んでいるという前提が必要。私はこの前提条件を充分に満たしていないため、半分くらいしか楽しめていないと思う。婚姻は同盟の役割を果たすと考えれば、政権が不安定な時ほどたくさん妻を持って、がんじがらめの姻戚関係を作り、それがまた揉める元になるという構図はわかる。なるほどNo. 1は、鳥羽伏見の戦で徳川慶喜が大阪から江戸へ逃げたのは、彼のメンタルが武士というより貴族だったから、という説。母も一橋の年近祖母も宮様!2020/12/03

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